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アイ・アム・レジェンドのRのレビュー・感想・評価

アイ・アム・レジェンド(2007年製作の映画)
2.7
んーーーびみょーーーーー結構期待してたのにな! 自分の好みの傾向として、主人公がひとりでほとんどの話が進むというのがあまり好きじゃないんやろな、と思った。たぶん人と人とのインターアクションと、そこから生じるエモーショナルなドラマがあってこそ、映画を面白いと感じているのでしょう。主人公はウィルスミスが演じる科学者ネビル。新種のウィルス感染で人類みなゾンビになってしまったニューヨークで、治療薬の研究をしながら、他の生き残りを見つけるべく、ラジオの周波を使って呼びかけ、食糧を求めてニューヨークの街をさまよい歩くウィルスミス、という設定で結構終盤まで話が進んでいく。ネビルは知る限り唯一の人類の生き残りだが、サムという犬と常に行動を共にしている。で、この犬との間にはそこそこドラマがあるんやけど、正直ボク犬にまったくと言っていいほど感情移入できないので、ぜんぜん心に響かなくて……犬好きの人が見たらまったく違う感想になるのでしょうが、僕にとっては、相手が犬とだと言葉や行動で分かり合えるレベルが原始的すぎるし、シンプル過ぎて、どうも共感できない。しかも主人公ネビルがウィルスミス主演のくせにまったく魅力がない。常に憂いを帯びてむっつりした無表情。僕の見慣れてるチャラくてあっけらかんとイタズラ好きの少年のようなウィルスミスでは全くない。ウィルスミス主演だからということで見始めたため、これじゃない感が強かった。もちろんウィルスミスだっていろんな役を演じたいだろうし、ウィルスミスのイメージがそもそもない人はぜんぜん気にならないんでしょうけど…。しかもこの時のウィルスミス、役作りのためか、いつもより細くてげっそりして見える。もっとぶりぶりぷりぷりしてるのが好きだなぁ。話の必然性で考えると当たり前なんやけどなぁ。ニューヨークでたった一人、ゾンビやらウィルスやらと孤独に闘ってて、食料だって困ってるし、自分の家族もとんでもないことになってもうたし。頭では分かるけど、心が分かってくれない。まぁこれはしょうがないですね。ちなみにこのゾンビウィルスは、クリピンウィルスと呼ばれていて、空気感染で全世界に広がってしまい、致死率は90%、たまたま免疫を持ってた10%の人は生き残ったのだが、そのうち98%がつるつるで血色の悪いゾンビになってしまった。彼らは理性を失い、狂暴で、すごい身体能力で人間を追いかけまわしては、捕食して生きている……いや、生きているのかはよくわかりませんが。ただコイツら太陽の光を浴びると死んでしまう?ので、暗闇の中でしか暮らせない。よって、夜に活動するか、昼間は暗い建物の中に潜んでいることしかできない。で、ネビルの飼ってる犬が昼間に建物のなかに入ってしまいそうになって、やめろ!行くな!とネビルが言っても、犬やから入ってしまってさぁ大変。これだから意思疎通ができない動物に感情移入できないんだなー。うざ!ってなる笑 別に死の危険に身をさらしてまで追いかけていって助けてやることなくね?ってなるのでダメですわこりゃ。その後の建物内部シーンも暗すぎて何が起こってるのか分かりにくくハラハラが不足してるし。で、後日、ひょっとしたら効果があるかもしれない治療薬ができたので、試用してみるために罠を仕掛け、一体メスを入手して、注射してみたりする。そうこうしてたら、今度は逆にネビルが罠にかけられるんやけど、あれ? どういうこと? だれに罠かけられたん? ゾンビたちはノータリンでそんなことできんやんな⁈ って不思議に思うんやけど、どうやら少しずつゾンビたちも思考などができてるらしい片鱗が見え始める……で、これが後半のストーリーの展開につながっていくのかと思いきや……と、あと、ネビルと家族の関係がフラッシュバックで数回に分けて描かれるんやけど、人物描写が浅すぎて、家族と会えなくなって苦しんでるネビルというのにあまり共鳴できないんですよね。悲しいんやろうけど。あと、先述の罠とも関係あるんやけど、ネビルったら孤独すぎて、よく行くお店に複数のマネキンを置いて、人がいる雰囲気にしてる、という描写も、んー、僕やったらこんなことは絶対せんやろな、と思ったり、そもそもネビルがぜんぜん感情を表さないのもあって、主人公自体に感情移入できない。その後出てくる謎の親子も、なーーーーーんかどうしようもなく神経を逆なでしてくるキャラで、おめーら勝手にベーコン食べんなよ!!! というわけで、やっぱ感情移入できない状態でいると、どんだけピンチになってもドキドキすることなく、様々な伏線もほぼ回収されることなく、それでおわりいいいいいいいいいいいいいいいい!!! と言わざるを得ないエンディング。いーや、これはぜんぜんダメでしたわ。いいところを書こうと思って、いろいろ思い出そうとしても、たいしていいところがない。映像とか音楽も普通やった気がするし。ということで、僕的にはぜんぜんオススメできない一作でした。早くお口直し見たい。
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