ぎー

シカゴのぎーのレビュー・感想・評価

シカゴ(2002年製作の映画)
3.5
【古典的なミュージカル映画の悪いところが残る名作】
〈感想〉
悪く言うと、ミュージカル映画嫌いの人がイメージするミュージカル映画になっている。近年は素晴らしいミュージカル映画が多く、没頭できる映画が多くなっているけど、本作は違う。ストーリーの進行と歌唱パートがはっきりと分かれている。歌唱パートにいちいち前振りがある。こういった構成だと作中の楽曲の魅力が滅茶苦茶重要になってくるけど、他のミュージカル名作と比較するとそんなに響かなかった。『All That Jazz 』や『Cell Block Tango 』など好きになった曲もあるけど、大半は印象が薄かった。ストーリーも起承転結がはっきりしていて、古典的。全然退屈ではないけど、笑いや感動が溢れるものではなかった。何より主人公のロキシーとヴェルマが世間知らずで自己中で感情移入できない。敏腕弁護士フリンの淡白さはセクシーだったけど。ただそれらを補ってあまりあるのが美術や衣装、メイクといった演出と出演者の魅力。レネー・ゼルウィガーはロキシーを本当に世間知らずで自己中に演じきり、心の底から嫌いになっちゃいそうだった。ヴェルマを演じたキャサリン・ゼタ=ジョーンズは滅茶苦茶格好よかったし、フリンを演じたリチャード・ギアは本当にセクシーだった。ストーリーや楽曲を楽しむというより、演出やキャストの熱演を楽しむ映画。
〈ストーリー〉
ミュージカルの名作の映画化作品。
世間知らずのロキシー・ハートは浮気相手のフレッド・ケイスリーを射殺し、クック郡刑務所に送られる。贈収賄を行なう"ママ"モートンが牛耳る殺人棟に入れられ、アイドルであるヴェルマと仲良くなろうとするが、無礼に拒絶される。酷いことをされたにもかかわらず何とか自分の妻を助けようとする夫エイモスの情に絆されて、敏腕弁護士ビリー・フリンの弁護を受けることになる。悲劇のヒロインに仕立て上げられたロキシーは民衆の人気を得る。裕福なビジネスマンの娘キティ・バクスターが夫と愛人2人を殺害し逮捕されたため、メディアとフリンもロキシーよりキティに注目するようになる。しかしロキシーは妊娠していると嘘をつき、すぐに名声を復活させ、いよいよ裁判に臨む。
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