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デス・レース2000年のbackpackerのレビュー・感想・評価

デス・レース2000年(1975年製作の映画)
3.0
インディペンデント映画の帝王ロジャー・コーマンが放つ、超有名カルトSF映画(続編(?)の『デススポーツ』は、逆に知名度ゼロです)。
Filmarksにあらすじがないので、以下に記載。

ーーーー【あらすじ】ーーーー
西暦2000年。『ユナイテッド・プロビンセズ・オヴ・アメリカ』は、独裁者と化した大統領が支配し、国民は年に一度のビッグイベント、大陸横断"デス・レース"に熱狂するハードコア国家だ。

国民が熱狂するデス・レースとは、非常に簡単なルールで行われるスポーツだ。
そのルールとは、
①走行中に人間を轢き殺し、ポイントを稼ぐ。轢き殺した人間にはランクがあり、老人や子供は高得点だ。
②ゴールする。道中でポイントを稼いでくることは当たり前だ。それを踏まえ、ともかくさっさとゴールする。
③生き残る。途中で死んじまうのはよくあることだ。生き残らなければ話にならない。
というもの。

かくして、今年もレースが開催される。
国民的ヒーローのスーパーレーサー・フランケンシュタインを筆頭に、暴君ネロ、マシンガン・ジョー、カラミティ・ジェーン、ネオナチのマチルダという素晴らしい顔ぶれが揃った。

しかし、このレースの裏では、現政権を倒さんと目論む革命軍による、レースの失敗及び大統領暗殺の計画が進行していたのだ……。
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コーマン帝国で生み出された数多のB級映画の中でも、最も人気であろう本作。
2008年には、ジェイソン・ステイサム主演でリメイクされ、以降キャストを変えつつシリーズ化しています。

私の大好きなアニメ映画『REDLINE』も、「武器を積んだ改造車によるなんでもありのレース」という、本作のミームを色濃く受け継いだ作品です。
というより、本作の持つ〈車・爆走・殺し・レース・SF・ディストピア〉という要素は、大なり小なり大概のマッドマックス系映画に引き継がれていきます。

要するに、本作はカルトディストピアSFながら、その後の多くの映画を生み出す母となった作品だということです。

ロッキーに主演する前の貧乏時代のシルヴェスター・スタローン(以下、スライ)出演ということでも有名ですが、この作品での彼の演技は当時好評だったとの話も。
コーマンの青田買い成功例の一つですね。
(コーマンの青田買いその他の例は、フランシス・フォード・コッポラ、ジェームズ・キャメロン、マーティン・スコセッシ、ジャック・ニコルソン等)


アクションはイマイチで、話もダラけめ、チープで荒唐無稽ながらも、その後の爆走レース系及びディストピアSF系の映画に多大な影響を与えた事を思うと、なんだか無性にグッときます。

また、鑑賞後に「あーつまらんかったわぁ、だってこんなくだらないアレやらコレやらやいのやいの……あれ?もしかして俺、結構気に入ってる?」となります。
どういうことかと言うと、
"さして面白くないのに心に残り、色々ツッコミたくなる程度にはちゃんと見てしまう"
という、不思議な魅力を持っている作品ということです。

コレぞ、カルト映画の条件、魅惑の力ですね。
あーつまらんかったなぁ、またそのうち見よう(錯乱)
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