茜

HOUSE ハウスの茜のレビュー・感想・評価

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)
4.3
ずっと観たいと思っていたら、いつの間にかU-NEXTに追加されていて歓喜!

ジャンル的にはホラーという事だけど、単純にホラーと言って良いものか悩む。
ホラー要素のみならず、お色気・アイドル・ギャグと多くの要素が詰め込まれているうえに、
極めつけは何といっても終始サイケデリックで思わずトリップしてしまいそうなほど奇々怪々な映像。
この映像のインパクトは言葉で説明するのがとっても難しいし、とにかく観てもらわないと伝わらないと思う。
自分が産まれる遥か前に作られた映画なのに、今現在もここまで観る人を混乱させる斬新な魅せ方が出来るなんて、
大林監督が「映像の魔術師」と言われている事に思わず納得してしまった。
そして映像以外にも印象的だったのが、随所にバックグラウンドで効果音のように流れる声や台詞のようなもの。
これがこの映画のカオスさをより惹き立てていて、本物の幽霊の声入ってんじゃないの?って思う位に不気味だった。

キャストの皆さんも若き日の池上季実子さんや大場久美子さんなどが出演されていて、特に池上さんの高校生役らしからぬ色気が凄い。
叔母様役の女優さんもグレーヘアーのボブカットが良く似合う綺麗な方で、私も歳取ったらあんな髪型してみたいという憧れ。
女の子たちが着ている洋服や、部屋の小物、いかにも作り物だけどポップな景色なども何だか可愛らしい。

正直なところ意味はよく分からないんだけど、深い意味を考える事すら意味がないような気もするし、
ただただこの斬新で訳のわからない映像に溺れたくなる不思議な魅力の映画。好きです。
茜