かつてこれほどまでに興奮を感じたアクション映画があっただろうか。。
ヒットガールの登場シーン、暗闇での乱闘、そして最後の本棚戦。キャッチーかつオマージュに溢れたカメラワーク+音楽選曲、死ぬほど可愛くて強いクロエモレッツ。戦う姿に涙が抑えられず号泣した。傑作中の傑作。
本作は、90年代後半以降にタランティーノやガイリッチーが築いたクライムアクションコメディ演出+アメコミ実写化+青春アイドル映画という異常な組み合わせを大成功させた歴史的偉業と言える。
クロエちゃん以外にも、地味な演技が逆に冴えていた歴代最強腕力のニコラスケイジ。ガイリッチーマシューヴォーン映画に常連の強面マークストロング。そして駄目な童貞が勇気を振り絞る主人公。青春映画であり家族の復讐映画という舞台で、全員がキャラ立ちする構成にホント文句のつけようがない。
ヒットガールのこの尋常じゃない強さから想起するのはレオン的な無双感だ。なんでレオンかっていうと少女とオッサンの組み合わせだから。だが明確に違うのは本作では2人ともとてつもなく強い。レオンでジャンレノだけでなくナタリーポートマンが最強だったら全然違う映画だが面白いに決まってる。
過剰なまでのかっこつけはキルビルにも通じる。女性による刃物や格闘技のアクションを際立たせるカメラワーク、途中でアニメを挟む演出など。
ガラス張りの事務所は何かあるなと観た瞬間に感じたが、ヘリで空から攻撃する展開はゴッドファーザーパート3をはじめド定番。夕陽のガンマンのテーマが流れるがこれはタランティーノが1番好きだと公言している映画である。結局のところマシューヴォーンもそうだったのかと。
この集大成感はなんなのか。レオンやキルビルやもっと古い映画の夢が詰まったトイボックス。まさにオマージュの上に成り立つオリジナリティだろう。
余談。
これが後のキングスマンに通じるのだなと。キングスマンも007の図式に、若手とオジサンの紳士コンビが活躍するコメディスパイアクションだし、突拍子もないシーンを連発するあたりは全く同じノリである。そして私はキングスマンはまあまあだった。