このレビューはネタバレを含みます
メキシコで夫が伝染病で死んだネリーが飲んだくれ元医師ジョルジュに惚れるお話。細菌性脳髄膜炎らしい。アルコール云々の戯言は万国共通なんですね。
フィルム・ノワールというよりネオレアリズモ的な雰囲気で描き出される伝染病と町とネリーとジョルジュ。ジョルジュが男前すぎる気がするなあ。
絶妙に長かったり短かったりするカット割り。ネリーがベッドに横たわったり下着姿になったりするシーンが不自然に長く感じますがねっとりしていて面白い。
理屈に合わない展開もありましたが映像の説得力で乗り切ったような。劇伴もとても合ってるように。唐突に空気の変わるようなラストシーン。
わざと少し外すようなカット割りやカメラワークが面白く、飄々とした閉鎖感のなかでの人々の動きが視点をずらしたリアリティを以て描かれるように感じられて印象的な作品でした。