茜

神風の茜のレビュー・感想・評価

神風(1986年製作の映画)
3.4
サムネの白塗り鉢巻おじさんを見ててっきり戦争モノだと思ってたらリュック・ベッソン製作のヘンテコ映画でした。
色々トボけてるし設定もふざけてるんだけど真面目に観てしまったのは本作の持つ映画力なのか。

変わり者の研究者がリストラされた恨みをテレビ出演者へぶつける理不尽なSFスリラー。
苦情の電話くらいで済めばまだ可愛いもんで、コイツの場合は所謂マッドサイエンティスト。
アンテナを改造してブラウン管越しにテレビの出演者を射殺出来るというとんでもない機械を作り出してしまう。
現場に射殺した当人の姿は勿論ないし、銃弾一つさえ残らないという遠隔完全犯罪。
このマッドサイエンティストに挑む刑事のお話です。

このトンデモ設定といい「KAMIKAZE」というタイトルといい、かなり異色の風変わりな雰囲気を醸し出す作品ですが、そのヘンテコ感を楽しめれば結構面白い。
変な映画だな~って頭の中では思ってるんだけど、オープニングのお洒落なカットや軽快な音楽・テンポの良い展開に引っ張られて自分は意外とすんなり入り込めた。
「バカバカしい」と思うか「変なの~ウケる!」って思うかどうかでハッキリ好みが分かれそうな作品ではある。

「考えるな!」系の映画である事は承知だけど「KAMIKAZE」というタイトルの意図だけは日本人として気になるところ…。
「ハラキリではない、カミカゼだ」みたいな台詞が劇中にあったけど、本作において神風って言葉はどういう捉え方をされてたんでしょうねぇ。
茜