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トリエステから来た女のRのレビュー・感想・評価

トリエステから来た女(1983年製作の映画)
3.4
フィルマークスのタイトルの下の「113分 イタリア、アクション」という表記を見て、へーーー80年代イタリアのアクション映画かーーー! 気になるーーー! と思って見てみたら、全然ちゃうやん!!! ただの官能ラブストーリーでした🤣 しかもものすごく変な話。まず冒頭、女の人が溺れてる!ってことで数人の男たちが海に飛び込み、ビーチに引き上げられた女を見ると、そんなに美人という感じではないんやけど、全身からエロスを放縦にだだ漏れさせてる官能おねえさんじゃないですか! 人工呼吸で息を吹き返したお姉さんは、名をニコルといい、ビーチで絵を描いてるおっさんにブランケットを借りて、体に巻きつけ、必ず返しに行くわ💋 と言う。で、返しにやってきたら、そのままメイク・ラブ👄ちなみにおっさんの方はぜんぜんイケメンでなく極めて標準的。営みが終わってなぜなぜしてるおっさんに、プレイの愛撫はとても好きだわ💋とニコル。さらにこの女、寝るとき常に全裸やし、ドア開けっぱなしでおしっこするし、オレとおんなじやん! 僕はおしっこするとき座ってするので、同居人はクソしてるときとの区別がついておらず、「うわ! 出た! 妖怪・開けグソ」と罵られます。さすがにクソのときは閉めますよ😓 いかに変態ニコルだとてクソのときは閉めるに決まってる。で、見かねてドアを閉めたおっさんに対し「どうして閉めたの? オシッコの姿は嫌なの?」とか言うてる。オレと同じやん!(嘘)🤣 その後、忽然と姿を消すニコル。けど、また姿を現したり、消えたり、探したり、見つけたりするなかで、おっさんは目撃する、ノーパンで公園に座り、通行人たちにプッシーを見せつけるニコルを! 私は男たちに見られたかっただけ!と喝破するプッシー! 人生は危険だ。愛もだ。と反論するおっさん。アホなのかなこのふたりは。いったいミステリアスなニコルの正体とは⁈ ふたりは今後どうなってしまっちゃうの! というストーリーで、そんなに面白くないです。が、なにがいいって、浮かれきった80sのアホなムーディーに振り切った感じ! BGMも映画の全然雰囲気に全然合ってなかったり、たまにハマってたり、現代ではコメディーになってしまうアホなやりとりを、どエロに演出してたり、全編まったりしたテンポがやたらのんびり見えたり……これ見るとほんと最近の映画は全体的にカチャカチャしてるなー、見よ、この余裕の演出。ほんで、ニコルの正体も、まぁ言うほど大したことなく、ただの虚言メンヘラ、それを大きな胸で受け止めようとするおっさん。ちなみにおっさんの名前はロマーニやったかな、この人は画家で、ニコルの絵を描くたびに、ますますニコルにハマっていくどうしようもない有閑好色紳士。どんどんどっぷりハマっていって、何でも来い、ってなってたはずが、エイリアン3化してしまったニコルにドン引き、正体を剥き出しにするニコルにドン引き、どんどんドン引き、メンヘラ・フルスロットル、その果てにロマーニにできることは、ただニコルを、女としてでなく、ラインとカーブの集合として、紙面に落とし込むだけなのであった……いやーほんまおかしな映画やったけど、本作を見て思うのは、愛欲とその追求ってのはまったく人生の頼りにならないし、ろくなもんじゃねぇなってこと。けど、脳内から快楽物質が出まくって、ヘロヘロ状態になるから、これが何よりも深く、素晴らしい、大切なものって勘違いしてしまうんでしょうね。実際はこんなにペラペラなのに。やっぱ何より人生に大切なのは友情である。けど、それは手に入れるのが難しすぎのでしょう。あと、演出としてひとつとても面白かったシーンが、無数のローチたちが浴場に登場するシーン。死ぬほど気持ち悪いし、こんなん度々見なあかんてなったらツラいやろな。最後にもうひとつ印象に残ったのが、ビーチの更衣室?トイレ?に入っていくシーン。こんな経験、ボクにもむかし何度かあったなーと笑、懐かしいです。とにかく人からケアされてないと気がすまないからお色気全開で生きているニコル、悲惨であり、滑稽であり、笑うしかなかった。とてもおもろいキャラやったね。
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