horahuki

ハイテンションのhorahukiのレビュー・感想・評価

ハイテンション(2003年製作の映画)
3.7
JKvs小汚ねぇオッサン!
友人宅に侵入してきたキモデブ変態クソオヤジが友人家族を襲うなか、存在を知られていない主人公のJKが隠れながら救出&反撃の機会を伺うバイオレンスホラー。

めっちゃ面白い!!
アレクサンドルアジャ監督の代表作ですね。そして本作はフランス初のスプラッターホラーのようです。

あらすじ…
受験勉強のためにド田舎に住む友人宅に合宿にきた主人公のJK。友人家族にも歓迎され、明日の朝から勉強だと友人から喝を入れられるなか、真夜中にも関わらず響き渡るインターホンの音。友人の父がドアを開けると、そこに立っていたのは、全身から「俺サイコキラーだよ」という雰囲気を漂わせる見知らぬ小汚ないオッサンだった…。

アジャ監督作はあんまり見てないからわかんないけど、田舎の風景を美しく切り取るのが好きなんかな。『ヒルズ・ハブ・アイズ』でも荒野の風景映像が多かったし、本作でも夕日をバックにした畑や畦道の牧歌的な映像を冒頭に配置してる。

そういった美しくて長閑な印象を与えてから、とびっきりなバイオレンスに急展開するギャップ。そして見逃しちゃダメなのはパパのパジャマ。モコモコな生地で背中にヒマワリが三つも咲いてる。パパ可愛すぎだろ…。こういう小道具からも漂ってくる日常のリアルが、それを無慈悲にぶち壊すバイオレンスの残虐さを際立たせる。アジャ監督さすがっすね。こういった家族の平穏をしっかり描くのは『ヒルズ・ハブ・アイズ』にもしっかり受け継がれてる。

自宅内での殺人鬼との隠れんぼも見せ方が凄くうまい。殺人鬼は主人公の存在を知らないわけです。家の中の家族写真を見ても当然写っていない。だから、主人公には隠れてやり過ごすという選択が生まれる。部屋の中で主人公が隠れ場所を探す様子を映し、その後殺人鬼視点に切り替えて部屋の中を探させる。主人公の隠れ場所を観客にも明確には見せないことによって、殺人鬼の一挙手一投足にスリルが加わる。そして中盤で主人公の隠れ場所を映すことで、定点に集中したスリルに変わり、一度で二度おいしいハラハラシーンになってる。

周りに助けを求められない舞台作りの強引さは若干気になりますが、主人公の存在がバレる?バレない?の緊張感で引っ張り続けるアイデアがしっかりと練られていて目が離せません。あのトイレなんて『マニアック』を思わせる緊迫感。終盤から若干失速するのが残念ですけどね。

友人の着替えを覗いたり、おっぱいを拝んだ直後にオナニーし始めたり、百合要素全開でスタートするわけですが、まさかそっち方面に持っていくとは…。整合性はちょっとアレかも知れませんが、本作は最初から最後まで主人公視点、つまり主人公の主観で展開しているので、破綻しているとまでは思わないですね。いやギリ破綻してるかな。でも私的には全然アリですよ。
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