茜

ローズマリーの赤ちゃんの茜のレビュー・感想・評価

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
3.2
不快感が凄くて、観ているこっちまで気分が悪くなるような作品。
スプラッタやグロと言った視覚的な恐怖や、音で怖がらせるような演出がある訳でもないけれど、
ローズマリーが抱く嫌悪や不安といった気持ちが、こちらにもリアルに伝わってくるようで観ていて頭痛がした…。

とにかく隣人のおばさんの不快感が凄い。
下品にまくしたてるような喋り方、人の家にズカズカ踏み込んで部屋を物色し始めたり、勝手に主治医を変えたり。
とにかく過剰なほど余計な世話を焼いてきて、もはや玄関チャイムが鳴るたびに「また来たの…」と私まで嫌な気持ちに。
でも現実にもこういうおせっかいな人間って本当に居るだろうし、そういった誰にでも起こりえるような日常的な出来事が恐怖に繋がっていくというのが、この映画の一番怖いところなのかなと感じる。

ローズマリーは人形みたいに可愛らしくて、彼女のファッションやお部屋の雰囲気もとても素敵で、
そんな世界観の中で徐々に病的な顔つきになっていくローズマリーを観ると可哀相で仕方なかった。
最初のキラキラした笑顔が眩しいローズマリーと、中盤~終盤の生気がない表情の落差が凄くて、どんより暗い気持ちになってしまう。
メンタルにズシリとくる映画。
茜