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ブリットのNeCoのネタバレレビュー・内容・結末

ブリット(1968年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ラロ・シフリンが手掛けたオリジナルサウンドトラック、洒落たジャズめいているのだけど、跳ねるようなベースラインが光っていて実に鮮やかで渋いし、ニヒルな上品さを感じさせる
この映画の唯一無二な独特な格好良さは間違いなくこれに起因する

証人の警護を任される一刑事ブリットが自身の非番中に証人を殺されてしまうも、犯人逮捕の陽動のために隠蔽工作を行う
彼なりの捜査を突き通すも、上院議員からの圧力、職業上における倫理観の狂いから恋人との距離感にも悩まされる
聞き込みにより本当の証人は生きていると判明し、ストーリーが加速する
空港での緊迫感ある駆け引きや依頼主への反骨精神、どこをとっても彼なりのプライドを痛切に味わうことができ、痺れる描写が多い
ラストの引き際も非常に良い
射殺という心揺さぶる事件の後に、恋人の寝顔を見て、顔を洗い、自身を見つめる
その傍らには愛銃

リアリズム的な映画になっており、かの有名なカーチェイスのシーンにセリフがないのもそういった要素が織り込まれているように思う
また作中で登場する病院や警察署もセットではなく本物で、ナースも本職の方々が出演しているらしい

一貫として鮮烈なアクションが繰り広げられるわけではないが、そこがリアリティに富んでおり、寧ろ渋さや哀愁を漂わせる良きアメリカ映画として帰着していた気がする
とてもお気に入りの映画
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