NeCo

呪詛のNeCoのネタバレレビュー・内容・結末

呪詛(2022年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

視聴者参加型POV形式ホラー
ネカフェにて、部屋を真っ暗にして見た

土着信仰のようなものは同じアジア圏ということもあり、宗教観念の近さから非常に精密に気味の悪さを与えてくる

頭に残るリズム感のある呪文、何度も見せつけられる裏手のポーズ、淡々と唱えられる経に一定間隔で挟まる紋章が記憶に刷り込まれる
洋画ホラーにはない特有のじめじめとした纏わりつくような不快感が終始引っ付いてくるので、息を抜く隙がない
恐らく視聴済みの方々には伝わるはず、唯一の微笑み要素はブリーフ集団かなと(笑)

罪のない人間が一方的に怖い思いをするのが一番無慈悲で見るに堪えないが、これは興味本位で呪詛を基盤として確立された集落に赴き、他人の価値観にズケズケと踏み込んだ挙句に被害者面するのは無理があるだろと思わせてくれるので、典型的な自業自得ホラーで見易い
当人の子供にまで被害が及ぶのは戴けないが

母親が非常に頼りなく芯がないので、見てて憤りを感じる場面が多い
しかしこの揺れ動きには過去の自身の無責任さ、子供に対する罪悪感からくる様々な葛藤が含まれていると思うと、心情的な描写としてはホラー映画の中でも上位に挙がるのではないだろうか

視聴者巻き込み型なのは、ビデオに記録する描写やその中で視聴者に語りかけるような場面で想像がついたが、ラストにはなんとも悪質!と感嘆してしまった
話題になるだけあるが、集合体が多用されるので、初めて画面を見れないという体験に襲われた
ホラー概念としては、多岐な気持ち悪さを含むので、驚きや怖さだけを享受したい人間には向かない

この作品は「見た人が誰かに勧める」までが作品の一部として含意されていると思うため、お時間ある方は是非
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