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グリーン・インフェルノのNeCoのネタバレレビュー・内容・結末

グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

久々に見直しました
スプラッタ映画へ見聞を広げるきっかけとなった足がかりとも言える作品

大学の有志デモ活動にて、森林侵略を食い止める、もとい先住民の移住権を守るべく現地に赴く数人の学生たち
一見成功に思われたそれは帰りの飛行機墜落から一変する
墜落後、食人文化を持つ民族の集落に運び込まれた彼らは想像を絶するような惨さを体感することとなる

個人的には最初の大柄の男性の死に様がとても心苦しく、掴みのインパクトとして痛烈であった
生きたまま体の部位を抉られたり、切り離されたりするさまはフィクションという前提があっても目を背けたくなるほどだ
また不可抗力にも仲間の肉を口にするシーンも一種の倫理的なラインを超える演出となっており、非常に印象深い
冒頭には大学の講義内容にて伏線も張られており、民族的な風習の不可解さと共に、安全地帯から槍を投げることへの皮肉めいたメッセージ性を含んでいるように思う

なにより怖いのは一概にフィクションとして捉えられないことだと感じる
超常現象系ホラーにおいて信じるか否かは当人に任されるが、当該のジャンルにおいては民族的な側面を過分に含むため、より現実的かつ不条理な恐怖を演出している
同じ人間であるのに言葉が通わない、同じ人間であるはずの生物を食物として扱う我々には理解し難い倫理性、そこはかとない恐怖と嫌悪感を彷彿とさせよう

ラストシーンでは民族内の子供に助けられた主人公が、彼らの本来の姿を隠蔽するような形で幕が閉じる
当初のデモ活動のような、より大きな力で彼らが弾圧されることへの同情が芽生えたのか、はたまた彼女なりの決着であったのか
爽快感のあるエンドではないが、様々な問題への物議を醸すような締め括りは嫌いじゃない
鑑賞時のメンタルによってはかなり気分を害す作品ではあるが、現に再び観にきてしまう自分もいるため、癖のある作品とも言えるのだろう
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