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ドクトル・ジバゴのクレセントのレビュー・感想・評価

ドクトル・ジバゴ(1965年製作の映画)
4.2
豪商はこう言って巧妙に若く美しい娘を篭絡させた。その娘が結婚する青年を紹介した時だ。彼は青年に聞いた。失礼だが、そんな安い給料でやっていけるのかな? 十分です。 正直言って君はまだ若すぎる。人格は年とともに向上するのですか? 寛容になる。それは自分にでしょう? 結婚に必要な資格はあるのでしょうか? 経験だな。貧しさに耐えてきた経験があります。恋愛の経験はありませんが・・。青年が去ったあと、彼は娘にこう言った。君を過ちから救いたい。男には2種類あるのだよ。あの青年は理想が高く、純粋で、尊敬を受けながら軽蔑される人種だよ。それは災いをまき散らし、女性を不幸にする。もう1種類の男は理想も純粋さもない。けれど生きているのだよ。

民衆は敗北の中から革命が始まるのだ、と豪語して帝国ロシアはレーニンの時代に突入していった。しかしその革命も間もなく新たな革命によって塗り替えられていった。男には2種類あると言って生き残っていくのはどの時代も巧妙な男たちなのである。
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