◾︎『ジュラシック・パーク』シリーズ第1作
【作品情報】
公開日 :1993年7月17日(日本)
作品時間 :127分
監督 :スティーヴン・スピルバーグ
製作 :キャスリーン・ケネディ、ジェラルド・R・モーレン
脚本 :マイケル・クライトン、デヴィッド・コープ
原作 :マイケル・クライトン
音楽 :ジョン・ウィリアムズ
撮影 :ディーン・カンディ
出演 :サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、リチャード・アッテンボロー、サミュエル・L・ジャクソン、B・D・ウォン、他
【作品概要】
CG革命を起こし、今日のCG映画興隆のきっかけを作った、エポックメイキングな作品。
『シンドラーのリスト』制作の条件として、ユニバーサルが「本作も併せて作ること」を条件にしたのは有名な話。ただ、どちらもスピルバーグ肝入りの規格であったため、手を抜いた・抜かれたというわけではない。
なお、スピルバーグがポーランドに『シンドラーのリスト』を撮影に行っている間、ポスプロはジョージ・ルーカスによって指揮されていたりもする。
当時最先端のCG技術を用いた映像のインパクトは凄まじかったが、多くの恐竜はアニマトロニクスを用いて撮影されており、スピルバーグの物撮り造形への拘りも現れている。
【作品感想】
「ここに並べ立てられている自然への謙虚さの欠如には……、眩暈がする」
幼少期から飽きるほど見てるのに、見る度に「面白いなぁ」と唸らされる、スピルバーグ印の極上エンタメ作品。
ストップモーション特撮の神様レイ・ハリーハウゼンが手がけた『恐竜100万年』に代表される恐竜映画ジャンルにおいては、未開の地に恐竜が生きているロスト・ワールドタイプが主流です。
しかし、当該ジャンル内で最も知名度の高い作品は、「DNA操作で恐竜を復活させる」という傍流の本作(及びシリーズ)というところが、面白いですね。
本作や『アビス』等が特撮にもたらした衝撃は、大変な破壊力を持っていました。
ハリーハウゼンの特撮の系譜を受け継ぐヒゲモジャおじさんフィル・ティペット(本作参加)は、本作のCGを見て「我々はこれで絶滅だ」とボヤいたとのこと。
サム・ニール演じるグラント博士の台詞にそのまま使われてしまったのは、皮肉というかなんと言うか……。
CGによるアニメーションでなんでも作れるようになった結果、現在の大作映画やMCUのようなシリーズは、殆どアニメ映画を見てる状況になりました。
『コングレス未来会議』的な未来が近づいているって思うと微妙ですが、本作から現在のクオリティまで20数年足らずで発展したんだと思うと、感慨深くもあります。
作品の娯楽性も極めて高く、今見ても全く色褪せないのは、本当に凄いとしか言えません(CGの荒さは仕方ないところ)。
外連味溢れる演出、行き着く間もないスリリングな展開、本物のような恐竜たち……、流石スピルバーグ。
個人的には、"電磁柵の通電"における、隔地間の行動が相互作用するカットバックは、見ていてとっても気持ち良かったです。最高〜。