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悪魔のような女のhorahukiのレビュー・感想・評価

悪魔のような女(1996年製作の映画)
3.0
聖女→マッドシスター

クルーゾー監督の同名映画のリメイク。何度もリメイクされてるようなのだけど、とりあえず一番見やすいコレをついでに見てみました。ほぼ展開は同じなのにスリリングさをほとんど感じさせないのが何とも残念ではあるのだけど、原作(未読)の展開をほんの少し取り入れたクルーゾー版との折衷案な落とし所は、さながらフラナガン監督の『ドクタースリープ』のよう。ちょっと言い過ぎだけどね🤣

主人公を演じるイザベルアジャーニの「迷い」についてはオリジナル踏襲なのだけど、本作で注目すべきはシャロンストーンの変化。役者イメージ的にもだけど、悪女って言葉がピッタリ来る真っ赤な衣装や絶対的な強さを感じさせる堂々とした演技が占める前半とは打って変わって、後半では彼女にどこか弱さが滲み出てくる。そのあたりがオリジナルとは違った魅力を打ち出そうとした本作の強みなのだろうし、その点は面白く見られた。

それ以外はクルーゾーのうまさを実感することになってしまうような劣化感が凄くて、特に悪魔化を決定づける夫殺害シーンは全く意図を見出せない謎演出でガッカリ。オリジナルの方では、言語化はできないけれど、実感として誰もがどこかで経験したことあるような生々しい倒錯感を表現していたのが見応えあったのだけど、アジャーニ演じるミアはそのあたりが淡白というか、奥行きを一切感じなかった。演技というより演出の問題だとは思うけど…。

イザベルアジャーニ、シャロンストーン、キャシーベイツと何かめちゃインパクト強い3人の共演なんだから、オリジナルにも原作にも縛られずに、もっと改変しまくった破茶滅茶なやつが見たかったかも。アジャーニとストーンが立ち寄った家の主がベイツで、監禁されてハンマーで足折られて小説の続きねだられるとか何かそんなの!🤣ストーンは勿論裏切り者で、アジャーニは謎の触手プレイさせられる的な!
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