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サマーウォーズのsanshokuのレビュー・感想・評価

サマーウォーズ(2009年製作の映画)
4.1
『サマーウォーズ』を観たから夏が始まるのではなく、夏だから『サマーウォーズ』を観るのだと思っている。現に熱されてるのか蒸されてるのだか分からなくなるくらいには部屋の中が暑い。まるでサウナにでも入っているかのような気分だが、ミストが出ていないだけましな気がする。汗だけでなく目元からも水分が奪われていく。完全に夏だ。

この作品は私にとって、夏に対する感情を特別なものに変えてくれた作品だ。正確に言えば、『時をかける少女』で意識しはじめ、『サマーウォーズ』で恋に落ちた、みたいな感覚だ。この頃から、今まではただ暑いだけだったはずの夏に魅力や切なさを感じ、夏の入道雲やひと夏みたいなものにどことない美しさを見出し憧れていった。当時、友人に誘われ本作を劇場で観るちょっと前に偶然『時をかける少女』を観ていた私は超ラッキーだったのかもしれない。劇場に向かう電車の中で、「この監督は何々の監督で~」と友人がうんちくを披露していた。細田守監督の存在を認知したのもこの時だった気がする。

劇場での観賞後はとても興奮していた覚えがある。「ナツキ先輩が~」と年上で白いワンピースが似合うナツキ先輩のことで頭がいっぱいだった。今改めて本作を観ると、あの頃は若かった、なんて思ったりする。憧れと幻想に夢を見ていた。そんな気がする。12年という時の流れの中でそれなりに色々を経験し、今に至るのだなと思ってしまう。少し悲しくもあり誇らしいような、複雑な心境だ。

『サマーウォーズ』と言えば神木隆之介というイメージもある。私は神木隆之介の事が好きだ。神木隆之介を好きになったのも、本作ともう一つ、本作公開の同時期に放送されていたドラマ『赤鼻のセンセイ』の影響がある。タイミングが良すぎたせいか、私の中で「サマーウォーズ=神木隆之介=赤鼻のセンセイ」という謎の等式で記憶が紐づけられている。正確に言えば、『サマーウォーズ』で意識しはじめ、『赤鼻のセンセイ』で恋に落ちた、みたいな感覚だ。『赤鼻のセンセイ』での神木隆之介の怒りの演技は最高だった。めちゃめちゃグッときてしまった。あの瞬間、私は神木隆之介に惚れてしまったのだ。

レビューをしているはずなのにどんどん記憶がよみがえり、話が逸れてしまう。それだけ『サマーウォーズ』が私に与えた影響は大きいのかもしれない。大切な作品だ。

この時期に『サマーウォーズ』を放送してくれる金ローには「さすが金ロー!いい仕事してる!ひゅーひゅー!」とは思っているのだけど、欲を言えば「やっぱりノーカットで観たいよね」と毎回思ってしまう。
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