TakaCine

サスペリアのTakaCineのレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
4.1
【アートなホラー】
味付けが濃すぎて、胸焼けしてしまったけど、凄く惹き込まれる映画😊

〈カルトホラーの名作〉
フルスロットルで描き出す鮮烈で残虐な殺害シーン、"芸術的な極彩美"と表現したくなる映像、不気味でインパクトがありすぎる登場人物たち、破天荒で意味不明なプロット、耳に残る気持ち悪い音楽…過剰で不可解で異常な世界観は、1度観たら忘れられない衝撃。

リメイク鑑賞の為の復習😊

子供の頃、テレビ東京で放映した時に途中から観てしまい、意味が分からず断念😅(こりゃ、分からんわw)

やっと全部観ましたよ😉スッキリ
とにかく映像と音楽と演出のインパクトが凄いですね‼️

こういうの、好きな人は凄く好きでしょうね♪

『オーメン』の惨殺シーンなどが大好きな自分は、本作のド派手な惨殺シーンが大好物でした😋♪

〈全て癖が強い〉
観客を1分1秒でも怖がらせようと、あざとすぎる演出に失笑しながらも、そんなアルジェント監督のサービス精神が嬉しいです(美女のおっぱ◯が出たら、更に嬉しかったなあ♪…なんて、下品ですんません😅)

・異様なまでの美と恐怖
殺戮の舞台は名門バレエ学校。ヨーロピアンの美しい赤い建物ですが、内部もド派手な配色や装飾ばかりで、落ち着かず息が詰まりそう(さりげなく描かれたプロビデンスの目が怖い)。幻想と倒錯が入り乱れた世界観に相応しい異様な外観です。過剰な様式美が生理的に怖い!

主人公スージー(ジェシカ・ハーパー)や友達サラ(ステファニア・カッシーニ)をはじめ、美女たちが画面を華やかに彩ってくれて目の保養になります♪

赤や緑のライティングで映し出される、彼女らの恐怖に怯える表情が凄く美しすぎて「どうにか逃げてくれ!」と「どう殺されちゃうんだ?」という相反する感情に胸をかきむしられます😅

怪しい学校内で繰り広げられる血生臭い惨劇は、異様なまでの美と恐怖に溢れ、目眩がするほどゾクゾクします(書いていて、変態チックな自分w)😍✨✨

死体から流れる鮮やかな血は、処女性が失われたような、凄い恐怖と罪悪感を引き起こします。

ステンドグラスと滴る血までの流れるような殺戮場面、王の広場で暗闇に浮かぶ怪しい影、寝室に響く笑い声と登場する死の使者…美と恐怖が鮮明に脳裏に刻まれます。これらの場面は凄い好きです😊‼️

・異様なバレエ学校の登場人物たち
大ショックを受けたのが、厳格な教師ミス・タナー役のアリダ・ヴァリ(『第三の男』『夏の嵐』)。凄くお綺麗な方で、昔は目力の強さが悲劇のヒロインにぴったりな女優さん…でしたが、スージーを食べてしまいそうな(?)ギラギラした迫力ある怪演が怖すぎ(演技力あるから余計に怖い)‼️…個人的には出てほしくなかった😢

もう1人往年の女優さん、副校長ブランク夫人役のジョーン・ベネット(僕は『飾窓の女』しか観てない)は、フィルム・ノワールの悪女役が似合うクールな美女でした。

この2人のクラシックな雰囲気が、画面をピリッと引き締めてくれます。

あと驚いたのが、若かりし頃のウド・キア!まだ髪がふさふさで風にたなびいてるぅ!!ずっと髪を見ていたから、言葉が一向に頭に入りません(笑)

バレエ学校で働く人々も異様な雰囲気が漂っています。黒い犬はホラーではお約束かな?

・怖ければ何でも良し?
話が意味不明すぎ、脱線しすぎ、あからさますぎ…話の筋より恐怖演出優先な感じで、頭は常に混乱しっぱなし😅(僕だけ?)

大量の血糊は赤すぎて笑えるし、いきなりの虫攻撃は虫酸が走ったけど理由が??だし、警察の捜査は尻切れトンボだし、結末もまさかの「えっ、そっちの方向?」だし…映画としては「何なんだ!?」な事ばかり😥なんだか変なホラーです(嫌いではないですけどw)。

それを凌駕する、サイケデリックな映像と殺人美学と恐怖音楽が素晴らしいのです😊‼️

ショッキングな映像と目を見張る殺人場面をまっさらな気持ちで楽しんで欲しいので、ここでは恐怖音楽のことだけ書きたいと思います(ただ単に上手く書く自信がないだけw)

・ゴブリン
一時期プログレにハマっていて、「ゴブリン」というバンド名は当然アルジェント映画と共に記憶していました。

本作以外でも『ゾンビ』、『シャドー』、『デモンズ』、『フェノミナ』の音楽を手掛けているんですね。

僕はホラー映画音楽だと『エクソシスト』、『オーメン』、『ローズマリーの赤ちゃん』が好きですが、本作の音楽も凄く気に入りました♪

オルゴールのような美しい旋律に不気味なエフェクトがどんどん重なり、異空間に飲み込まれていく様が聴き応えあります😊🎵(某ドラマのOP曲が似ている気がしますが)

彼らの音楽とアルジェントの凝った映像の組み合わせは、呪術的な効果を引き出し、それは"魅惑的"としか表現できない世界観を構築しています。

そう言えば、ニュー・ トロルスというプログレのバンドで「コンチェルト・グロッソ」というアルバムがあります。日本未公開映画『La Vittima Designata』(1971)のサントラですが、凄くゴージャスで格好良いんです(表現が稚拙だw)😊‼️

プログレ曲の中でも、最高傑作と言われる様式美溢れる大好きな組曲です♪好きすぎて書きました♪

〈記憶に残るホラー映画〉
映画のプロットとしてはいびつでも、忘れることができない芸術的な映像と音楽と殺人美学は、ホラー映画の中でも特異な存在として、いつまでも輝いていると思います。

さて、ルカ・グァダニーノ監督のリメイクはどんな味付けがされるんでしょうね?今から楽しみです😊‼️
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