ゆりな

アモーレス・ペロスのゆりなのレビュー・感想・評価

アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)
3.7
最新作「バルド」を観たので。
全編メキシコ撮影は今のところ、本作と最新作だけ。

イニャリトゥ監督のデビュー作で東京国際映画祭の当時のグランプリ。
ガエル・ガルシア・ベルナルの初主演でもあるし、発掘した監督もすごい。

20年前の家だとかメキシコってこんな感じなんだな〜。主人公はガエル・ガルシア・ベルナルだけど、3人の登場人物の物語が進むところは「21g」「バベル」に通ずる。
ただ普通に幸せに生きたいだけなのに、生きるのが辛すぎる。そしてきちんと、繋がる。

37歳でこの映画を撮って、かつ、これがデビュー作っていうのが、やっぱりすごいや。巨匠の作品としか思えない。

普段、不倫ものは絶対NGな私ですが、これは仕方ないと思っちゃうよね。しかも「兄と結婚する前から好きだった」だもん。
出てくる女性が、みな違って違う意味で美しい。

やっぱりイニャリトゥの映画は長くても、ラスト30分が面白い!どうなるのか目が話せなかった。
監督作の中で一番、犯罪クライムの要素が高く、貧困を描いたかと思えば「お金があればいい」訳ではないストーリーもあり……幸せってなんだろうな、ってしんみり思っちゃったよね。
全てが環境のせいとは言わないけれど、幸福を作るにはある程度の財力がいるよ。

今でこそ、「クラッシュ」だったり、こういった映画、あると思うけれど、これをデビュー作で1999年に作り上げていることが凄い。後の巨匠はデビューから巨匠だなぁと。37歳でこれ撮ってるの、人生2週目としか思えない。
ゆりな

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