【法廷映画のススメ】
『いとこのビニー』(1992年)
〈フィクション (1992年代 / アラバマ州) 〉
◆法廷の争点
雑貨店主殺害容疑の若者2人の冤罪を立証出来るか?
・犯行目撃者の証言の正当性
・現場に残された犯人逃亡時の轍の解析
〈見処〉
①B級テイスト溢れる「実はスゴい!」
リーガル・コメディ
・『いとこのビニー』(原題:My Cousin Vinny)は、1992年に公開されたコメディ映画。
・舞台はアメリカ南部アラバマ州。西海岸の大学に転校が決まったニューヨークの学生、ビル(ラルフ・マッチオ)と友人のスタンは、大陸横断ドライブをしながら転校先へ行くことにしたが、途中アラバマ州の雑貨店にて、強盗殺人犯に間違われ、逮捕される。
・そこでビルは、弁護士であるいとこのビニー(ジョー・ペシ)をニューヨークから呼び、弁護を依頼するが、ビニーは法廷未経験の新米弁護士。しかも都会育ちのため南部の田舎にまるで馴染めず、法廷では保守的な判事を毎回怒らせ、法廷侮辱罪で自分も拘留される始末。検察から不利な証拠を次々と提示され、絶対的アウェーのなかビニーは婚約者モナ・リサ(マリサ・トメイ)の助けを借りながら、弁護士としての才能を開花させていく…(Wikipediaより抜粋)。
・本作は、製作費11百万ドルと低予算コメディ作品ながら、法律の学位を持つジョナサン・リン監督が、実際の公判の口述を脚本に取り入れるなど、裁判の正確な描写にこだわった作品。その内容が評価され、アメリカ法曹協会の雑誌「ABA ジャーナル」選定の「偉大な法律映画」の第三位にランクされたそうだ(詳細不詳)。
・また、マフィア映画の大御所、ジョー・ペシ(当時49歳)と新鋭マリサ・トメイ(27歳)によるイタリア系アメリカ人カップルが個性的に描かれ、B級テイストの強い作品ながら、本作にてトメイはアカデミー助演女優賞を受賞している。「実はスゴい!」リーガル・コメディである。
③結び…本作の見処は?
前半:メタメタ、後半:傑作
=もっと人気があっても良い作品!!
◎: 本作でアカデミー!?軽そうな配役のなかに沢山の可愛らしい仕草を織り込む、若き日のMCU版『スパイダーマン』メイおばさん、マリサ・トメイを観るだけで鑑賞価値あり。
○: ラスト20分の法廷内のドラマは、前半部の鬱憤が解消される実に清々しい論争。法廷ドラマでありながら、人間の陰部の描写が少ないのも心地好い。
▲: 『ベスト・キッド』(1984)から8年。本作時点のラルフ・マッチオには既に華がない。
▲: アンジャッシュのスレ違いコントのようなやり取りが延々と続く前半は少々退屈。
本作は敬愛なるフォロワーのともちろさんにご推薦いただきました。いつもありがとうございます!