茜

スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火の茜のレビュー・感想・評価

3.8
全く覚えさせる気のないタイトル。
トビー・フーパー監督の「ゴジラ」に対するオマージュ作品だそうです。

水爆実験の実験台となった両親から産まれた息子サム。
彼が産まれて間もなく、両親は身体から発火して焼け死んでしまう。
それから34年後、成長したサムの指先から突然炎が吹き出して…。

やれ核実験だとか人体実験だとかゲスいお話だし、普通に主人公のサムが可哀相になるんですけど、ド派手に炎が吹き上がる演出からはそんな悲壮感は全く感じられない(笑)
サムが怒りに震え興奮状態になるとドヒャーっと炎があがり、サムに触れた人間はあっという間に燃えて灰になり、挙句の果てには受話器の向こうにいる通話相手まで燃えちゃうってどういう事だよ。
「ブルース・ブラザーズ」なんかで有名なジョン・ランディス監督も口から火を吹いて盛大に燃え上がるんで爆笑しちまったわよ。

お話自体はもうはちゃめちゃで、この人体発火の裏に隠された陰謀なんかもガバガバだし、「お前何だったの?」っていう謎人物もチラホラ。
そもそも発火の原理もむちゃくちゃで訳がわからないし、両親の焼死体の頭蓋骨が異常に小さいのとか本当ふざけてる(笑)
ラストも本来なら切なく感動する展開なんだろうけど、自分は完全に置いてけぼり食らってポカーン…。
でも、とにかく燃えて燃えて燃えまくる!圧倒的な炎の勢いに押されて理屈とかどうでもよくなっちゃう。

真冬に観ると温かくなれるのでお勧め。
茜