茜

ラースと、その彼女の茜のレビュー・感想・評価

ラースと、その彼女(2007年製作の映画)
3.2
初めて観るライアン・ゴズリングの映画がこれで良かったのか…と思いつつ、
不思議な哀愁がありつつも心温まる優しい映画で良かったです。

ラースの彼女がダッチワイフであるという事よりも、とにかく周りの人の優しさが大きすぎて、風変わりな事実すらもまるでおかしく思えない不思議。
頑なに一人を好むラースに対して、異常にグイグイ食事に誘ったり接触を求めてくる周りの人達に、冒頭では若干引いてしまったけど、
それも皆がラースの事を気にかけていて愛しているという表れだったんだなと思うと、本当に周囲の人間に恵まれたラースが羨ましくすら思う。

周りの人達は理解できない事を決して頭ごなしに否定するのではなく、
「わからない」というマイルドな言葉を使うことで、ラースの事を認めつつ理解しようとしてくれていた。
温かい人達の優しさに囲まれて、少しずつ成長していくラースも素敵だった。

ネット社会になってから、自分と違う考え方や行動をする人を徹底的に叩き潰そうとする人間が目立つようになったけど、
例え理解は出来なくても否定するだけではなく、個々の人間として「認める」という事の大切さを教えてくれる。
茜