で、その『花嫁のため息』の約1週間後に公開された続編的作品。上映時間はさらに短く43分。2本で1作品という位置付けだったのではなかろうか。長谷川一夫主演の『新・平家物語　義仲をめぐる三人の女』と併映。

ようやく二人きりの時が訪れ（初夜も迎えたであろう）た若い夫婦。前作とは打って変わって冒頭からアツアツぶりを見せつける。しかしそこに今度は新婦の友人が転がり込んでくる。このまままた「安息を求めるドタバタ」になるかと思いきや・・。

前作と同じく若尾文子と根上淳の夫婦が柱となるのだが、今作はよりコメディ色が強い。これはぎこちない“なりたての夫婦”から“アツアツ新婚家庭”へと、二人の関係が進んだことによるのだろうか。特に前作ではお飾り的な扱いでもあった若尾文子が物語の「動」の部分を担ようになり、ストーリーもより軽快で洗練された感じになっている。

また前作ではあまり描かれなかった新婦の実家の面々、特に藤原釜足が今作では出番が増え、話を進める原動力となっている。後半に出てくる「怒りながら謝る」場面などは最高だ。

序盤、新婚宅に転がり込んで来る友人役に岸田今日子。
他愛ない役でセリフも出番も少ないが、すでに岸田今日子である。後年の『卍』でのあややとのマッチアップをどうしても想像してしまう。

女性軽視や丸髷というヘアスタイルなど、やはり古い描写があるがやはりそれはそれ。小難しいことは脇に置いて楽しめばいいのである。

しかしタイトルにもあるようにあややの「寝ごと」の場面が何度かあるのだが、寝顔といい寝ごとの内容といい、まことに愛らしいのである。

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前作「花嫁のため息」で初々しく無事に初夜を迎えた敬太・芳子夫婦が今作では隙あらばキスをするアツアツデレデレカップルになっている。転がり込んできた芳子の友人を追い出すのにアツアツぶりを見せつける戦法をとったりするのがすっとぼけててなんだか良かった。その芳子の友人役は岸田今日子が演じていて上品だけどヌメっとした独特の存在感があって余計に面白かった。
そんなアツアツ夫婦が離縁の危機を迎えてしまうが、原因は芳子の父の浮気相手を敬太の浮気相手と勘違いして芳子がショックを受けるというちょっとトリッキーなボタンのかけ違いで、それがやがて大騒ぎになっていく。その騒ぎは芳子の世にもいじらしい寝言で収束して最後には楽しい笑顔で終わってゆくのがふんわりと甘くて、素直ないい気分になれた。

若尾文子映画祭アンコール

丸髷若尾文子がかわいい（これ以外の記憶がない）。