らくだ

ジャンヌ・ダルクのらくだのレビュー・感想・評価

ジャンヌ・ダルク(1999年製作の映画)
4.0
百年戦争時代、フランス軍の英雄ジャンヌ・ダルクが、神の啓示をもとにフランス軍を率い、鼓舞し、戦うその人生を「民衆に奇跡をもたらす神の遣い、そして英雄」ではなくて「たまたま奇跡的な結果を起こしてしまったがゆえに時代に振り回されるただの少女」として描く、灰色と土色の戦争映画です。

「海外の大河ドラマ」という感じの、気合の入った、でも華やかさやド派手さはなく、地に足のついたような泥臭い戦争の描写が最高に良いですよね…。人間同士だけじゃなくて、投石器や破城槌や煮えた油が戦場を駆け巡るのも最高ですよね。男の子は全員西洋甲冑が大好きだし、そこから一段階ひねくれたオタクは攻城兵器が大好きになります。全員です(暴論)それを戦旗で焚きつける甲冑の乙女ジャンヌ・ダルク!しかも顔面がミラ・ジョヴォヴィッチ!完璧…

物語としては「ジャンヌ・ダルクが神の遣いである」ということには否定的なんですけど、その問いかけとして登場する「ジャンヌの良心」と呼ばれるおじさん、これが内面存在のくせにあまりにも容赦がなさすぎてすごい…たぶん、それだけ彼女は自分の行いへの疑問を圧し潰して生きてきたんだろうというあらわれですよね。ぼくの中にもいるのかな、良心のおじさん。顔が良いおじさん…


ジャンヌ・ダルクのパーソナリティー上しょうがないんですけど、男性のように短く刈り込んだ髪型よりも最初の流れるような前髪とおさげのほうがかわいいですね…(オタクなので)
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