Jaya

薔薇のスタビスキーのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

薔薇のスタビスキー(1973年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

実業家となった詐欺師スタビスキーが債権偽造し発覚から自殺するまでのお話。スタビスキー事件という実話ベース。妙に似てるトロツキー。

時代がかっていて昼ドラみたいな色味や劇伴が面白いような退屈なような。登場人物たちはとてもハマっていました。男爵がキャラクターも役割も素晴らしい。

詐欺師らしく享楽的に金を使っていく様子が映されますが、長過ぎて起伏も少なく退屈でした。人々の証言カットが喚問であると分かるシーンから加速度的に面白くなるようでした。

周囲の人々との関係性が興味深い。今日から私たちは君を知らない、というのは現実のようにも愛情のようにも。最初の逮捕前から盲目的にスタビスキーに従うアルレッテの存在が絶妙過ぎました。

政権中枢に食らい込んでいたという描写は強くされないので、多少の違和感はありつつも素晴らしいラストの描写。ベッドでの顔付きと目線が堪らないです。

説明的ではなくスタビスキーに迫るものでもなかったと思いますが、独自の視点で時代を彩った存在を描き出した名作でした。
Jaya

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