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L.A.大捜査線/狼たちの街のryosukeのレビュー・感想・評価

L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)
4.3
冒頭からダレることもなく、よく動くカメラによるクールなショットが定期的に入ってくるので満足。
クレジットのフォントとか時代を感じさせるが今逆にかっこいい気もする。
ロスの夜景によく合うパーカッシブな電子音楽、大げさな演出、銃声、効果音に無条件にテンションが上がる。冒頭の爆発シーンは、あざといとかやり過ぎという人もいるのだろうけど自分は大好き。撃たれた瞬間と撃たれた直後の血濡れの顔をジャンプカットで繋ぐ独特な描写のあっさり感が冷徹。
ウィリアム・L・ピーターセンの空港での動きはあんな飛び回り方するかという感じでちょっと可笑しい。
「恐怖の報酬」のニトロを積み込む前の準備のシーンと同様、ニセ札の作業の工程をセリフ無しで次々に繋いでいくシーンが印象的。終盤、狂気の中で過去がフラッシュバックするのも「恐怖の報酬」と同様。ここらへんはフリードキンの作家性なのかな。
ウィレム・デフォー本当にいい顔するな。ちょっとクラウス・キンスキーっぽいんだよな。デフォーの相棒の野獣感も良い。
デフォーの主人公に対する嘲笑が何かを予感させる。
ラストのデフォーのセリフで「弁護士の言う通り相棒を売っとけばよかったな」みたいなのがあるので、主人公たちを刑事だと分かっていたようだが、それなら金を出させた後に何でさっさと殺さないのかはちょっと分からない。寝不足で見たから何か間違えてるかも。
やはり逆走シーンが白眉。かっこいいというよりちょっとコメディっぽさがあり、ジャック・タチの「トラフィック」など想起した。
ラストの決戦は二人とも間抜けな感じでちょっとアレだが、燃え盛る業火と発砲時に一瞬モノクロになるやり過ぎ演出が素敵なのでまあいいや。
工場での圧巻の焼死は同じL.A.クライムアクションである「キッスで殺せ」からの完璧な引用ということでいいのかな。
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