むぅ

ロード・オブ・ドッグタウンのむぅのレビュー・感想・評価

4.0
友人に"横乗り一族"が多い。

音楽の横ノリは大歓迎だが、運動神経がいつ切れてもおかしくない点線なので、「楽しいよ!」という夏のサーフィン、冬のスノボ、春秋のスケボーのお誘いに毎度「うん!楽しそう!いってらっしゃい!」と行かない旨を伝えてきた。
バーで飲んでいると"四天王"と言われてしまう程に"酒量のレベル感"の同じな仲良しの友人達がいる。(4人でワイン7本飲んだり、旅先のランチでビールの中瓶が4本つまり1人1本写り込んでいる写真に引かれたりする)
その内の1人が昨日突然「スケボーを始めようと思います」と宣言した。横乗りの波がここまで...と思い、観てみることにした。

1970年代カリフォルニア。
ドッグタウンと呼ばれる街で、スケートボードの新しいスタイルを生んだと言われる「Z-Boys」の実話を基に描かれる物語。

とにかくスケートシーンがカッコいい。滑る音と一緒に風まで感じることが出来る。

ただ楽しくて夢中で滑っていたそれぞれが、注目され始めたことを分岐点にどんな"滑り"で生きていくかが描かれるのが良い。
例えお互いのゴールが違っても、大切に思っているものが同じだと、強い絆が生まれるのだなと思う。
何かに夢中になる姿って本当に魅力的。

「サーフは人生だから」
横乗り一族の一人の言葉を思い出す。
マイブームで終わらせてしまった数々の趣味を思い出しながら、その''サーフ"に当てはまりそうなのは、今のところ"酒"か"映画"だな、と思った。
お酒を人生にするわけにはいかないので、私なりのスタイルでこれからも映画に夢中になっていきたい。

夢中になれること、真剣に遊ぶことが出来る限り、そこには青春があるのかもしれないと思わせてくれる物語。

「一緒にやろうよ!」とは決して言わない友人の私への理解に感謝しつつ、この映画をお勧めした。
むぅ

むぅ