「ネバーギブアップ・ネバーサレンダー」で強引に1時間半持っていく作品。
スタートレックありきで成り立ち、SFの大量パロディを練り込み、この映画自体がコメディであることを自分で忘れているかのようにスタートレックやりたい感がハンパない。
いわゆる映画の中の世界が真面目になればなるほど、バカバカしくて笑えてくるタイプのコメディ。
本作と全く同じ構造で、宇宙版のリメイクなんじゃないかと、勘違いするほどの類似作品にサボテンブラザースがあるが、やはり本作は比べるとカタルシスに欠ける。
サボテンブラザースが基本的にスラップスティックなのに対し、本作をパロディコメディに徹したあたりも、差別化を図られているけど、単に好みじゃなかった。
どうにも所詮パロディって目で見てしまうのでストーリーが頭に入ってこない。
しかしながら、本作のチープな造りは、架空の番組「ギャラクシークエスト」に熱狂する映画の中のファンたちの疑似体験を提供する、ストーリー的おもしろさも、持ち合わせている。
劇中で「何話のあのシーンの展開」って、ご丁寧にもつっこむように、存在しない熱狂ぶりや燃える展開に、観ているこっち側までお祭り感が漂ってくる。
からのあのラストの展開なら大正解。
悪役のサリスの倒し方がさいっこうにスカッとするし。
サリスにとっては、悪夢のような最期。
主人公たちが初めて宇宙船に乗車した際の酔いの映像表現がちょっと凄すぎた。
ほんの数秒だけれども、カーブがかった通路をより魚眼レンズの容量で、微かに円形を入れたショットでキメ、天井、壁づたいを少しふくらます。
一瞬のシーンなのに不安定な感じが超伝わってきて、個人的に一番驚かされた。