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アンノウンのYYamadaのレビュー・感想・評価

アンノウン(2011年製作の映画)
3.6
【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 観客の緊張感を煽る
 ○: 超常現象なし

◆作品名:
アンノウン (2011)
◆サスペンスの要素:
「成りすまし」された医師による、
 真相究明

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・医学博士のマーティン・ハリスは、若い妻とともに学会に出席するためベルリンへと赴くが、宿泊するホテルに向かう途中で交通事故に遭う。
・病院で一人意識を取り戻したハリスだったが、妻にはその存在すら認識されず、見ず知らずの男が自分になりすましていたため、真相究明に乗り出すが…。

〈見処〉
①人生を奪還する戦いが、今始まる
・『アンノウン』は、2011年に製作されたサスペンス映画。
・本作はフランス人作家、ディディエ・ヴァン・コーヴラールによる小説「Out of My Head」を『テスター』のジャウム・コレット=セラ監督が映像化。
・予備知識なしでは全く先が読めない王道サスペンスの本作。主演の『96時間』シリーズのリーアム・ニーソンが、事故により一時的な記憶喪失となった男に降りかかった災難に演技力を発揮している。
・本作は当初『身元不明』の邦題を予定していたが、2011年3月の東日本大震災の発生を受け、配給元のワーナー・ブラザースは『アンノウン』と原題のまま日本公開されることとなった。

②結び…本作の見処は?
◎:「妻を含め、誰も自分のことを知らない!?」まるでヒッチコック作品のような、絶望的な展開は、途中までオカルト的な結末も予想してしまうほど、鑑賞者が理解出来うるギリギリのラインで構成。最後まで高い緊張感を持って鑑賞出来るサスペンスの佳作。
○: ベルリン市街を疾走する、カー・チェイスや終盤のバトルシーンなど『96時間』を彷彿させるリーアム・ニーソンのアクションも見逃せない。
▲: 主人公のハリス医師を支える、旧東ドイツ秘密警察出身の老人が終盤に見せる「究極の二択」は、作品質を左右させる重要シーンであるが、非常に唐突感がある演出が残念極まりない。
▲: 作中に登場する薄口の伏線は、終盤に無理なく回収されるものの、「ふーん」で終わるその内容には「どんでん返された」カタルシスは感じ得ない。
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