名女優たちをバンバンと愛人にしていくボンボン役の市川雷蔵。ここまで奔放にしていても、雷蔵だから許せるどころか様になりすぎていて素晴らしい。自然でしかない。
愛人が増えるたびに成長し、彼女らから商売繁昌のヒントを得て大きく成っていくストーリー。
大切にされたボンボン特有の優しさとまっすぐさが魅力的であり、ここまでナチュラルにこなせるのは市川雷蔵だからこそ。
深刻になるようなシーンで、深刻に持って行かせない力がある…
相変わらず美しいアングルとカメラワーク、独特のセンスが妖艶さを強調。
また、大物美人女優が多数出演し、それぞれ違った魅力をぞんぶんに発揮。とてもとても眼福で贅沢！どの役者も生かされてしまうのは市川崑の力量故か。
あややの銭ゲバっぷりは最高！宝石を全部の指にはめても、下品でない色っぽさ。お風呂場のシーンでの高らかな笑いには胸がスーッとします。
山田五十鈴のボケボケっぷりも最高で、鴈治郎の役柄はいつも通り絶妙極まれり。それとペアでじわじわくる倉田マユミ、など枚挙にいとまがないほど名優・名演のオンパレード！
当時の大映映画のパワーが一堂に会した、何度でも観たい傑作。
