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GODZILLA ゴジラのYYamadaのレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(1998年製作の映画)
2.7
オリジナルを凌駕する作品は!?
【リメイク映画のススメ】

◆本作 (リメイク作品1️⃣)
GODZILLA (1998)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・出演者: マシュー・ブロデリック
ジャン・レノ
・監督: ローランド・エメリッヒ
・製作費: $130,000,000
・興行収入: $379,014,294

◆オリジナル作品 (リメイク元)
ゴジラ (1954)
・製作国: 🇯🇵日本
・出演者: 宝田明、河内桃子、平田昭彦
・監督: 本多猪四郎
・製作費: $2,850,000
・興行収入: $6,800,000

◆参考作品 (リメイク作品2️⃣)
GODZILLA ゴジラ
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・出演者: アーロン・テイラー=ジョンソン
    渡辺謙
エリザベス・オルセン
・監督: ギャレス・エドワーズ
・製作費: $160,000,000
・興行収入: $529,076,069

〈リメイク作品のポイント〉
・舞台を現代の英語圏に変更し、
 作品をグローバル化
・最新の特殊視覚効果により、
 緊迫感溢れる映像を実現。
・生態系を意識し、リアリティを強化

〈見処〉
①全ての日本人を敵に回した?
 曰く付きのリメイク迷作!!
・『GODZILLA』は、1998年に製作会社されたSF映画。
・本作の舞台は米国ニューヨーク。フランスが行った核実験による突然変異で出現した巨大怪獣ゴジラが、マンハッタン島に上陸。
・米軍の攻撃もものともせず、ビル群を破壊して地下へ姿を消す。フランスが極秘理に送り込んだエージェントのフィリップともとにゴジラを追っていた生物学者のニックは、残された体液からゴジラが妊娠しており、マンハッタン島の地下に巣を作ろうとしていることを突き止める…(eiga.comより抜粋)。
・本作は、日本が世界に誇る怪獣王ゴジラをハリウッドが描いたSF怪獣パニック大作。監督は、世界的大ヒット作『インデペンデン・デイ』のローランド・エメリッヒ。
・日本では、その異形の姿から今も酷評が止まらない本作であるが、日本の興行成績は約51億円に上り、東宝がリブート製作した「ゴジラ・ミレニアムシリーズ」よりもヒットを記録している。

②ハリウッドの言い訳
・本作を企画したハリウッド配給会社、トライスター・ピクチャーズは、1992年頃に東宝からゴジラの使用権を購入。しかしながら「ゴジラの製作権を全て買い取り、東宝には今後ゴジラを作らせない」というハリウッド側の条件によって交渉は難航。最終的には「破格のギャラにより、ゴジラがハリウッド作品に出演」する契約となる。
・ハリウッド側としても当初の目論見にあった自由裁量によるゴジラ製作が出来ず、監督候補にあったティム・バートン、ヤン・デ・ボンとの交渉は不調。最終的に、何度も辞退していたローランド・エメリッヒに、新しいゴジラのデザインを見せ、ディザスター作品としての製作をオファーすることで、なんとか監督が決定。
・配給会社・監督・東宝のいずれも釈然としないまま製作は進行。エメリッヒは「当初、隕石が地球を襲う映画を企画していたが、東宝から突然本作のオファーが来た」「着ぐるみの怪獣映画には全く興味などなかったが、強い押しがあったので仕方なく受けた」「『ゴジラは人を食べない』といった細かいルールに嫌気がさしたので、いい加減な脚本とデザインを提出し『あちらから断るだろう』と思っていたらゴーサインが出てしまい、仕方なく撮影に入った」など、後日に相当な不満を述べている。(Wikipedia調べ)
・公開後に「あれはただのイグアナだ!」と日米ファンから非難轟々な本作に対して、当のエメリッヒ自身も「日本のゴジラファンが、不愉快に感じるだろうと思っていた」と後に語っていたとおり、ゴールデンラズベリー賞受賞の憂き目に遭った作品であるが「映画とは巨額の投資を伴うもの。『GODZILLA』を興行的に成功させ、世界で4億ドルを稼いだのだから、成功だったと言えるのでは。」と述べたエメリッヒにも一理はあるような気がする。

③結び…本作の見処は?
過去のゴジラ作品に対するオマージュやリスペクトが感じられない。
○: ゴジラとして見なければ、ディザスター(災害映画)として、一級の娯楽作品として仕上がっている。とくにゴジラが全容を見せるまでの緊張感は良い。
×:「イグアナ姿」「産卵するゴジラ」に閉口。

〈リメイク作品の判定〉オリジナル ○
演出    : オリジナル ○
配役    : リメイク ○
特殊効果  : リメイク○
ストーリー : オリジナル ○

日本人にとっては、ハリウッド版『ドラゴンボール』の次に恨めしい一作ながら、本作の教訓が後の「モンスターバース」の成功に繋がったと思えば、実は意義のある作品。
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