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恋におちたシェイクスピアのRのレビュー・感想・評価

恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)
4.1
面白い! 全然いい評判聞かんし、おもんないんやろなーと思ってたけど、いやいや、ふつうに面白いやん。かなり良く出来た娯楽映画な気がしたよ。ちょいちょい要らんコメディ演出あるけど。ウィリアムシェイクスピアの伝記映画かと思ってたら、史実には全く関係ない(?) 超ピンチ状態のウィル(=ウィリアム)の焦りから始まります。経営が立ち行かず、借金取りに痛めつけられてるローズ劇場の興行主から、大ヒットするコメディを書いてくれと言われ、締め切りが近づきつつあるのに、アイデアが浮かばない。スランプ。ある夜、エリザベス女王も出席する演劇夜会に招かれたウィルは、そこでヴァイオラという良家のお嬢さんに一目惚れ、家に帰ると一気に筆が進み出す。後日、その劇の俳優を決めるためにオーディションをすることになって、ぜんぜんロクなのがいないなか、一人だけ異様に台詞回しの巧い男がいる。ん! どう見てもヴァイオラが男装してるやん!と思ってしまうのだが、1593年エリザベス王朝の時代、女は舞台に立てない(!)のもあり、みんなそんなこと想像だにしなかったのでしょう。誰も気づかないんす。で、ん! コイツはイイ!とシェイクスピア。ヴァイオラは女のくせしてどうしても舞台に立って演技がしたい。結局男装ヴァイオラが主演のロミオ役に選ばれるんやけど、そうこうしてるうちに、ウィルと恋に落ちたヴァイオラさん。ある夜、ウィルは夜中にヴァイオラ宅に忍び込み、2階のベランダにいるヴァイオラと愛のことばを交わす。これって、ロミオとジュリエットのシーンやん、と思ってると、ウィルはその内容を新作に反映させて書き進めていく。ナルホド! シェイクスピアによってロミジュリができるまでの創作過程をラブコメで描いた映画なのだな! リハ中もヴァイオラの正体にちっとも気づかないウィル…確かに、超美少年にも見えなくはないかなー。全編とってもテンポのいいストーリー展開と、良くできたシナリオで、少々トゥーマッチな演出あったりするけど、スルスル流れる楽しい時間が心地よくワクワク。結構気になったのが、ポップな時代劇って雰囲気の割にはセックスシーンが長めなこと。ボクの予想だと、ウェルを演じたジョセフファインズがあまりにもエロい顔をしてるからではないか。爽やかそうに演じてるシーンもあるけど、どう見ても爽やかじゃない笑 けど恋の情熱やエロスを前面に出してるときの色気はすごい。この人の出てるエロティックサスペンスあったら見てみたい!と思ったら過去に見てました笑 もう一回見てみようかな。チェンカイコー監督やし。まぁ、それは置いといて。ヴァイオラ演じるグウィネスパルトローの演技は安心・安定のクオリティ。男装してるヴァイオラが思わずウィルにキスしてしまい、ウィルが一瞬BLに心が傾くあの一瞬を、ボクは見逃さなかったよ! あそこですぐネタばらしせんかったらもうちょいオモロいことにやってそうやったのになー、オシイ! あと、珍しくコリンファースが悪役。ヴァイオラと問答無用で結婚してやろうと企んでる横暴な男なんやけど、コリンファースなら喜んで従います。で、結局彼らは劇場を復活させることができるのか⁈ ウィルは新作を間に合わせ、上演することができるのか⁈ という展開。映像、衣装も見応えあるし、剣術アクションもあり、いろんな魅力がモリモリなのに、ちゃんとひとつの世界観の枠内で調和してて、非常に巧みな映画だな、と思いました。テーマとしても、現代的なジェンダー問題が、説教臭さなくさらっと馴染んでたし。てかイギリスの演劇界も日本みたいな女人禁制ルールがあったんやねー。意外でしたわ。日本はいまだにある分野があるからなー。難しい国であることよ。
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