ゆりな

ネバーエンディング・ストーリーのゆりなのレビュー・感想・評価

3.7
「始まりはいつも暗いのです」

ついに観るときが来ちゃったか、という作品。
というのは、うちの父は暇過ぎてやることがなくよく酒臭い部屋で映画を観ていたのだが、その中でも小型テレビに映っていて印象的だったのが本作と「レオン」なのだ。
(でも別に父は映画が好きだったんじゃなくて、することがなくて観ていただけ)

そんなわけでわたしの映画人生の始まりはここかもしれないのだけど、そんな貴重な思い出の一本なのに「もしつまんなかったらどうしよう?」って思い出までゴミ屑になる気がして怖くて避けてたよね。

これ当時で言うハリポタみたいな大ヒットメジャー作品だと思ってたけど、違う……!?原作はミヒャエル・エンデだし、ドイツの制作なのね。

「母を亡くしたばかりのいじめられっ子少年が、屋根裏で開いた本から旅に出る」という最高のプロット。
そして夜はロウソク灯して、眠かろうがワクワクしてページをめくる手が止まらない……って読書体験がうらやましかった後半。
大人になると学生の頃みたいな、そうゆう経験が減るよねぇ。

スピルバーグのCG技術の映画界の貢献はすごいけれど、この手作り感、やっぱたまらないや。
スピルバーグも一周回ってこうゆうの撮らないかな?「バック・トゥーザ・フューチャー」を初めて観たときを思い出した。

思えば西部劇が好きだった親父が、本作を好きだったとは到底思えないが、たまたま部屋で流れていたファルコンの登場シーンのノスタルジックさは何十年経った今でも忘れないし(もっと星空キラキラ、幻想的だった記憶だったが)、インフルかかって病床の中スマホから観たのですが、大変満足でした。
ゆりな

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