わたがし

パワーパフ ガールズ ムービーのわたがしのレビュー・感想・評価

-
 ビーバス&バットヘッドの時も思ったけど主人公の精神年齢が低いと本当によく展開が転がるんだなとしみじみした。80分で果てしないところまでストーリーが進む。ガチャガチャしたバラエティ番組的な進み方(妖怪ウォッチのTVアニメ)じゃなくて、本当に一本筋のままどこまでも進んでいくのが心地良い。正気じゃないテンポのクロスカッティングの力もある。
 ストーリーはヒーローものの王道で、こうなっていたかもしれない自分と戦う感じのあれだけど、80分尺で55分ぐらい経ったところでようやく「そうか、このスーパーパワーで街を救えばいいんだ!」と初めて気付くピュアさにちょっと感動する。確かに自分も特殊能力を持って生まれたらそれぐらいのタイムラグがあるよなという。
 画の単純さをゴリゴリの編集でアゲる感じが本当に好き。この情報量の少なさでちゃんとハラハラするクライマックスのアクションシーン。ラスボスを倒す決定的な一言が伏線回収っぽくなってるんだけど、その要素のみ異常に皮肉めいているというか、自己言及的と言うか、能天気なトーンに急に一撃喰らわす怖さがある。
わたがし

わたがし