『ザ・カンニング』シリーズ第二弾。なんだけど、『ザ・カンニング』と言うのは邦題であって、原題は
１作目『ザ・カンニング』は『Les Sous-doués Passent le Bac. （劣等生のバカロレア受験）」
２作目『ザ・カンニング アルバイト情報』は『Les Sous-doués en vacances. （劣等生のバカンス）』
『ザ・劣等生』の方がふさわしいかも？

監督、メインキャストは前作と同じ。でも今回はカンニングは全くなし。べベル（ダニエル・オートゥイユ）たちバカどものセーシェル諸島での騒動を描く。このバカ騒ぎの中心となるのが邦題にあるアルバイト。
例えばベベルがガソリンスタンドで白い高級車を洗車するときガソリンをかけてしまい拭いているうちに塗装が剥げて真っ黒になってしまうが、持ち主は気づかず乗って行ってしまうとか。
こんな調子で最初から最初までくだらないギャグだらけだ。さすがに1982年の作品なので古いけど、オッサンなら懐かしさ補正で楽しめるフランスコメディだ。

吹き替え版はフジテレビの『ゴールデン洋画劇場』で放映されたので、当時人気だった『笑っていいとも』の初代いいとも青年隊の羽賀研二・野々村真・久保田篤が参加。けっこうあっている。

過去鑑賞にて

そして、今作ではカンニングとアルバイトが何故に結び付くのかも思い出せず…

ただ、全作、今作とも主演のダニエル・オートゥイユっていう俳優さんの名前だけは何気に記憶に残っているのです…

『カンニング[IQ=0]』の続編となる、ダニエル・オートゥイユ主演のバカコメディ映画。バカロレアに合格して大学生活を満喫する主人公ベベルは、恋人であるアメリカ人女性とセイシェルにバカンスに行く予定だったが、空港に行くと、その恋人は他のアメリカ人男性と旅に出てしまう。一方、セイシェルに恋人とバカンスに行く予定だったクロディーヌも、双子のエレーヌに彼氏を取られてしまう。二人はラブマシンの被験者として知り合うが、中年歌手のマンフィスの横槍で、マンフィスとクロディーヌはサントロペにバカンスに行ってしまう。そこでベベルは彼女を取り返すために仲間たちとサントロペに向かう。

ここまではストーリーらしきストーリーがあるが、これ以降のサントロペでの無意味なドタバタ劇は、なんとも形容詞しがたいくだらなさが満載である。シーン間の関係などなく、唐突に次のシーンが来るし、そこで展開されているのがユーモアなのかどうかもわからない。カンニングは全く関係ないので邦題はもはや意味をなさず、「アルバイト」が何を指しているのかも不明…おそらくラブマシンの被験者になることだと思うのだが。前作はくだらないながらも結構好きだったが、本作はとにかくつまらないだけだった。

映画の中でちょっと気になった点は、
・クロディーヌは日本語を話せるという設定。日本人らしき男性ときちんとした日本語で話すシーンが前半に出てくるが、それ以降で日本語をしゃべっていると思われるシーンでは、デタラメ日本語（デビュー当時のタモリが良くやっていたデタラメ日本語のようなもの）である。なお、クロディーヌとエレーヌの双子を演じたグラース・ド・カピターニは、本作がデビュー作。
・下手な医者に手術をされた黒人の足が段々と短くなっていくというネタは、現在ではアウトだろう。
・サントロペはブリジット・バルドーが愛した街として有名だそうで、本作でもBBネタ（浜辺をヌードで走るニセBB）が出てくる。