始まりのピンク


　数々の映画やアニメーション作品で有名な『ピンクパンサー』シリーズの第1作。ここから全てが始まったと思うと感慨深いものがあります。誰しもが一度は聞いたことがある有名オープニング曲から始まり、隙のないコメディで展開される本作。ブラックにも負けないパンサーの誕生です。

　『ピンクパンサー』はアニメーションでしか観たことがなかったので、原点がこのような物語だとは思わず驚きの連続。コメディも最近では珍しくなった、セリフではなくアクションで笑わすスタイル。ピーター・セラーズ演じる、どうしようもないドジなキャラクターがたまらない。彼がいるシーンは映えがあります。

　少し長さを感じてしまって飽きが出た部分もありましたが、総括してクスッと笑える絶妙なロマンティック・コメディでした。

2024.6.1 初鑑賞

『ピンクの豹』（1964）
原題：The Pink Panther

某国王女が所有する巨大な宝石“ピンクの豹”。その秘宝を狙って、怪盗ファントムが王女に接近する。ファントムを追い続けていたクルーゾー警部は、犯行を未然に防ぐために、王女がバカンスを過ごすスキー場に乗り込んだ……。(映画.comより引用)

曲の知名度だけ最高限にある作品。

ストーリーはあんまりでした。
アニメーションは最初と最後だけで、想像していた内容とギャップがあった人はたくさんいたのでは

2024-214

• #kkbbrk2024

小さい頃はテレ東で『ピンク・パンサー』のアニメはやっていたし、『ドリフ大爆笑』の公開コントでもピンク・パンサーのテーマが流れていたので普段から馴染みがあった。

二十年近く前に深夜でピンク・パンサーシリーズ（『暗闇でドッキリ』を除く）を一挙放送していて、それで初めてオリジナルはこういうストーリーなのかと初めて知った次第である。

それ以来、今回、久しぶりに『ピンクの豹』を観た。

のちのシリーズほどドタバタ感はないが、第一作で既にピンク・パンサーのアニメ、クルーゾー警部のキャラクター、ヘンリー・マンシーニのテーマが完成されている。

中東某国で王が幼い王女ダーラに大粒のダイヤの首飾りをあげるところから物語がはじまる。

そのダイヤは中に特殊な傷があり、光の加減によって内部にピンクの豹が浮かび上がるという通称「ピンク･パンサー」と呼ばれる代物だった。

月日は流れ、成人したダーラ（演：クラウディア・カルディナーレ）であったが母国が革命でバタバタしていたたため、イタリアのスキーリゾート地に身を寄せていた。

その頃、巷では高価な貴金属ばかり狙うファントムと名乗る怪盗が暗躍していた。

ファントムの正体であるイギリス貴族のチャールズ・リットン卿（演：デヴィッド・ニーヴン）は今度はピンク・パンサーを狙おうとダーラ王女に接近する。

一方、ファントムを長年追いかけていたパリ警察のクルーゾー警部（演：ピーター・セラーズ）は、ファントムがある金持ちの主催するパーティーの参加者ばかり狙っていることに目をつけ、次のパーティーが行われるこのリゾートを訪れる。

しかし、クルーゾーは知らなかった。彼の愛妻シモーヌ（演：キャプシーヌ）こそリットンの愛人であり、捜査状況が全てリットンに筒抜けであったことを。

今回も首尾よく王女に近づき、宝石を手にいれようとするリットンだったが、丁度その頃、アメリカに暮らしていた彼の甥っ子（演：ロバート・ワグナー）が金に困って彼を頼りに来ていたのだった。

イギリスからデヴィッド・ニーヴンとピーター・セラーズ、イタリアからクラウディア・カルディナーレ、アメリカからロバート・ワグナー、フランスからキャプシーヌと、世界四か国からスターが揃い踏みした豪華でお洒落な映画である。

このお洒落な雰囲気の中、一際異彩を放っているのはやっぱりピーター・セラーズ。

改めて地球儀でスッ転ぶギャグは本当に見事で、学生の頃に自分も真似しようと思ったけど流石に怖くてできなかった思い出がある。

ちなみにこの役柄は当初ピーター・ユスティノフがやる予定だったのが、いざローマでのクランクイン直前になって降板したため、セラーズに白羽の矢が立ったという。

当然ながらユスティノフのクルーゾー警部じゃこれだけのヒットシリーズにはなっていなかったと思う。

今回巧いなぁと感心したのは、フラン・ジェフリーズが『今宵を楽しく』を歌い踊るシーンで、ほぼワンカットで撮影しているのにダレを感じさせないのは凄いと思った。

それにしてもシマウマの着ぐるみが何ともいい味を出している。

■映画 DATA==========================
監督：ブレイク・エドワーズ
脚本：モーリス・リッチマン／ブレイク・エドワーズ
製作：マーティン・ジュロー
音楽：ヘンリー・マンシーニ
撮影：フィリップ・H・ラスロップ
公開：1964年2月29日（米）／1964年3月20日（日）