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フレンチ・カンカンのHKのレビュー・感想・評価

フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)
3.5
『ヘッドライト』の2年前にジャン・ギャバン(当時50歳)とフランソワーズ・アルヌール(当時23歳)が既に共演していた映画です。しかもこちらは華やかなカラー作品。

1800年代後半のパリが舞台で現存する有名なキャバレー“ムーラン・ルージュ”と踊り“フレンチ・カンカン”(例の女の子が並んで足上げて踊るやつ)ができた経緯がコメディ&ミュージカルタッチで描かれます。
(ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーが出たミュージカル『ムーラン・ルージュ』の方は観てません)

監督は『大いなる幻影』でもギャバンと組んだジャン・ルノワール。
悲恋モノの『ヘッドライト』と違い、本作は陽気な2人がたっぷり見れます。
興行師役のギャバンはやはり当時50歳に見えません(現代人なら60~70歳くらいの貫禄?)

踊り子役のアルヌールも明るく無邪気な女の子を元気いっぱい演じており、ちょっと暗い印象の『ヘッドライト』のときとは対照的です(でもやっぱり『サイボーグ009』の003の面影あり)。

物語の展開は能天気なだけでなく、いろいろとトラブルも発生。
女性をめぐる男同志の戦いも男性をめぐる女性同士の戦いもけっこう熾烈です。
あとエディット・ピアフも出演しており、歌っているのを見れるのは貴重?

とにかくアルヌールがキュート!
『ヘッドライト』がギャバンありきの映画だとすると、本作はアルヌールありきの映画と言えるかもしれません。
クライマックスは運動会でお馴染み『天国と地獄』の楽曲に乗ってフレンチ・カンカンが繰り広げられます。

しかしギャバンは続けざまの共演でアルヌールと何回キスをしてるんでしょうか・・・
羨ましい限りです。
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