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ダークナイトのBACのネタバレレビュー・内容・結末

ダークナイト(2008年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

・ジョーカーは理想やモラルに毒付きたい、現実にもある悪意の極北に位置するような存在で、劇中のバットマンとデントのみならず、モラルに沿って生きようとしてるものの、意識下では破壊に惹かれる心情を持った、映画を観ているこちら側の心も揺るがせにかかってくる。(現実に起これば悲劇以外の何物でもないけど、アクションやスペクタクル映画を好んで観るのはそういうことだと思う)

・「お前らの理想を貫けるか?」「死んでも構わないけど、殺したらお前らの負けな」とバットマン側に呪いをかけたようなもので、ついにはレイチェル爆死までに至り、コミック・ヒーローをここまで容赦なく追い込んだ作品は他に無いと思う。

・バットマンが盗聴システムについ「美しい」と漏らし、犯罪抑止のため管理社会化を良しとするのかと思わせたり、船ではジョーカーの悪意に積極的なNO を示したのは市民の側より牢名主みたいな犯罪者だったり、家族を人質に取られたらどうなんだと、モラルを踏み外しかねない危うさが真に迫ってくる。監督・脚本のノーランはほんとに痛い処を付いてくる映画を作ったと思う。

・暗さ重さが頭の上にどっしり乗っかってくるものの、映画は強靭なサスペンス(故ヒース・レジェのジョーカーから目が離せない)とアクションで疾走してる感じ。傑作。

・音楽のハンス・ジマーはそれほど良い印象は無かったんだけど、本作では脱帽。不安のレベルが上昇していくかのようなジョーカーのテーマ(?)を生み出したのは凄い。
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