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ダークナイトのBeSiのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
5.0
ノーランDay 2日目
「ダークナイト」鑑賞。
シリーズもので2作目が傑作に値するというのも妙な話だが、これは紛れもない傑作。新たな敵としてついに登場する悪のカリスマ、"ジョーカー"。今作は彼に焦点を当てるようにして物語が進んでいく。この「ダークナイト」がアカデミー賞2部門受賞、ゴールデングローブ賞1部門を受賞し、Filmarksユーザーの10万人以上が高い評価をして大ヒットを成し遂げたのには有名な病院爆破のシーンといったノーラン色たっぷりの映像技術以外にも、いくつか理由がある。一つは、"秩序"と"無秩序"の対比から明らかになるジョーカーという一人の男の狂気だ。彼は最高の悪役であり、混沌を生み出す悪魔であり、全てを超越したバケモノ。それらを自ら象徴しているとでも言うような、ヒース・レジャー演じるジョーカーの笑う声は狂気の沙汰以外の何物でもない。そして二つ目は、その"無秩序"に立ち向かおうとする者の儚さを描いている点。彼は主にヒーロー映画であるような肉弾戦を繰り広げるのではなく、同じくゴッサムシティに住みつく犯罪者達と同じような手で迎え撃つがゆえ、周りの人間の動きが制限状態になるとともに、バットマンでさえも攻撃を仕掛けにくくなってしまうのだ。ジョーカーのみが持つ"現実的混沌"を生み出す能力。これらに太刀打ち出来るほどの復活を遂げる事が出来るかが最終章のポイントとなってくる。大いに期待したい。まさに、ヒーロー映画の枠を超えたバットマン史上最高の傑作です。
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