Hagieen

ドランク・モンキー/酔拳のHagieenのレビュー・感想・評価

ドランク・モンキー/酔拳(1978年製作の映画)
4.0
久しぶりに地上波吹き替え版で観た。
流石名作とあって、ストーリーとして非常に良くできた作品だと思う。
悪戯盛りの放蕩息子が蘇化子のもとに無理やり弟子入りさせられ、しごきから逃げ出す。正義感から悪漢に立ち向かうも破れ挫折。蘇化子のもとに戻り訓練し、精神も身体も鍛え成長し立ち上がる。

ビルドゥングス・ロマンとして教科書的というか、定石通りというか、王道ストーリーゆえ判りやすい。
自分の技を伝授した蘇化子はフェイフォンのもとを去る。ビルドゥングス・ロマンなわけだから、主人公はひとり立ちしなければならない。
なのにラストシーンの最終決戦で蘇化子が戻ってくるのはご愛敬w

この時代のカンフーモノは、ほとんどが恩讐による争いで、敵討ちなわけだから重い展開が多い。(観客の感情移入がしやすいため、そういうシナリオが多いのだと思うが)
ジャッキーはカンフー映画にコメディ要素を取り入れた点で、このジャンルの新たな方向性を見出した。この功績は大きい。

吹き替え版は最終決戦で日本オリジナル曲を挿入してしまうという暴挙がなされている。現代だと考えにくい話だが、この暴挙が結構いい。
エンディングのスタッフロールでタイアップされた日本の楽曲が流れることがあるが、あれらはほとんどいただけない。
しかし、本作の曲は成功している。
四人囃子の「拳法混乱-カンフージョン」は曲調こそ作品の雰囲気とは違うが、特撮やアニメのようなポップ感はジャッキーのヒーロー性と相まって、ラストバトルを盛り上げる。
なんたって映画観て、音楽が記憶に残るっていうのは名曲の証だと思う。
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