このレビューはネタバレを含みます
ケーン保安官がとっ捕まえた悪党フランク・ミラーが町に戻ってくるどうしようというアンチ西部劇的な西部劇のお話。前後の町山氏の解説が邪魔でした。
誰一人共感できる人がいないけれど、理解はできる。町の人々の殆どは消極的利己主義。その他大勢になっているわけではないところが良いです。ケーンにしても正義漢というよりは独善的。アル中をあしらうところが象徴的でした。
説明的なセリフが多く退屈でした。時計が12時を指すシーンは高揚感がありましたが、そこから先は間延びした純西部劇的アクション。ラストもなんだかなぁ。
肝心のエミーとミラーの描写がかなり弱いという。演技としてはヘレンが一番インパクトあったように思いました。矜持に満ち溢れた表情が素晴らしい…。
多少のペシミズムとリアリティに彩られていて面白いのですが、時代がかったものも感じてしまった作品でした。