茜

恐怖の茜のレビュー・感想・評価

恐怖(1961年製作の映画)
3.7
60年代のイギリス産モノクロどんでん返し映画。
公開当時は、事前情報を極力絞り込むためにポスターを一種類しか制作せず、劇場への途中入場もお断りしていたという徹底ぶり。
今でこそどんでん返し映画なんて珍しくもないけれど、1960年代当時にこの結末は衝撃的だっただろうな。
そのうえ60年経った今観ても全然古臭く感じないし、今なお名作として評価され続けているなんて素晴らしい。

十年間、顔を合わせていなかった父親の元を訪ねる車椅子の娘が体験する恐怖。
めちゃくちゃシンプルな邦題だけど非常に的確なチョイスだと思う。
確かに深い部分を追求していくと幾らでも粗は出て来るだろうけど、自分は普通にこの意外性を楽しめた。
終盤、二転三転して次々と明かされる真実はモノクロ映画ながらも鮮やか。
映像も美しいし、主人公のスーザン・ストラスバーグの美しさが白黒映像にとてもよく映える。

こういう映画は、結末を知った後にもう一度見返してみたくなるね。
茜