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X-MEN2のbackpackerのレビュー・感想・評価

X-MEN2(2003年製作の映画)
4.0
◾︎X-MENシリーズ第2作

【作品情報】
公開日   :2003年5月3日(日本)
作品時間  :135分
監督    :ブライアン・シンガー
製作    :ローレン・シュラー・ドナー、ラルフ・ウィンター
製作総指揮 :アヴィ・アラッド、トム・デサント、スタン・リー、ケヴィン・ファイギ、ブライアン・シンガー
脚本    :マイケル・ドハティ、ダニエル・P・ハリス、ブライアン・シンガー
音楽    :ジョン・オットマン
撮影    :ニュートン・トーマス・サイジェル
出演    :ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、イアン・マッケラン、ハル・ベリー、ファムケ・ヤンセン、ジェームズ・マースデン、ブライアン・コックス、他

【作品概要】
『X-MEN』シリーズの映像化第2作。
現在のX-MEN人気の重要な要因であるアニメ『X-MEN』(FOX・キッズ・ネットワークにて放送)を、スタン・リーと共同で手がけたイスラエル出身の玩具業界重鎮のアヴィ・アラッドが、製作総指揮に名を連ねる。
(アラッドは現在のマーヴェル・スタジオの前身であるマーヴェル・フィルムの会長兼CEOであり、今日のマーヴェルの礎を築いた人物。アヴィ・アラッド、ケヴィン・ファイギ、デイビッド・マイゼルの3人は、まさしく現代最大のコンテンツ産業であるMCUの立役者なので、名前を覚えておいて損はない。)
また、前作で製作助手を務めた若きファイギ青年も製作総指揮になった。

前作での対立構造はそのままに、ミュータントの抹殺を目論むストライカー大佐が新たな敵として登場する本作もまた、偏見と差別への抵抗という根幹のテーマにはブレがない。加えて、前作で不足しているとされたアクションシーンを大きく追加したこともあり、比べて評価は格段に高まった。

【作品感想】
「アメコミ映画は2作目から」という定説があります。往々にして、名作と呼ばれる作品が2作目であることが多いためです。
本作と同時期の作品でいえば、『ブレイド2』や『スパイダーマン2』なんかが良い例ですね。アメコミ映画に限らず、『エイリアン2』や『ターミネーター2』も、そんなジンクスの一例です。

2がヒットする要因の一つには、「説明を省けるから」というシンプルな理由があります。
1作目でキャラクターの紹介・相関図・ミッション等の情報は描いているため、2は最初から物語に集中できるのです。これは続編の最大の強みですね。
ヒーローサイドがほぼ全滅するという窮地に立たされる中、彼らを助けるのが前作の宿敵マグニートーという熱い展開も、構造として強いですね。
あれ?ここまで書いてふと気づきましたが、本作って構造は『ターミネーター2』と同じなんですね。
さらに、多用かつ動静の効いたアクション、出会いと別れ、一筋縄ではいかないクライマックス、全貌不明なままの失われた過去等の要素が綺麗に収まっているんですから、そりゃー面白いわけだ。納得。


興行的にも内容的も最高潮となったX-MENシリーズ。ブライアン・シンガー監督も勢いに乗り、3作目はさらに凄いものにするぞ!とぶち上げましたが、悲しいかな、3作目は思わぬ躓きにあいます。
「続編物の映画は3で失敗する」というジンクスもまた、かなり大きな壁として確かに存在することが、ハッキリと証明されてしまった、とでもいいましょうか……。
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