平野レミゼラブル

半次郎の平野レミゼラブルのレビュー・感想・評価

半次郎(2010年製作の映画)
3.5
人斬り半次郎こと桐野利秋の生涯を描いたチェスト示現流アクション映画。
チャンバラとしてもアクション映画としても貴重な示現流アクションを心ゆくまで堪能できる大変にチェストで首置いてけな時代劇。

もうね、示現流こそが最強の剣術と呼ばれる所以がこの作品で痛いほどわかりましたよ!!
考えてもみてください。屈強な男が、上段に刀を構えた状態で、笑顔で、奇声を上げながら、突撃してきて、跳ね上がって、ぶった斬ってくるんですよ。怖すぎるでしょ。
全編に渡って奇声と共に振り下ろされる刀!!飛び散る血飛沫!!雄度MAX!!!!

中でもEXILEのAKIRA演じる永山弥一郎の殺陣が圧巻。
赤マントをたなびかせ鬼に遭えば鬼を斬り、仏に遭えば仏を斬る!!刀が折れれば、鞘を投擲!!近づく敵は投げ飛ばし、ネックハンギングを極め、顔面を思い切りぶん殴り続ける!!これがハイローですか……
敵兵を尽く斬り伏せた後には倒れ込んだ民家の住民に100円を渡して家を買ってそこで一服して拳銃自殺する(史実)のも最高に漢って感じでカッコいい。どうせ史実通りなら炎に包まれてくれた方がよりそれっぽいなとは思ったもののこの永山無双見れただけで本作見た甲斐があったなァって思えました。

もちろん半次郎の榎木さんも古武術の使い手だけあって滅茶苦茶キレのある殺陣で大満足なんですが、肝心の半次郎の生涯を描いたドラマ部分はっていうと正直2時間で幕末〜西南戦争まで描くこと自体が無茶すぎた。あらゆる部分を端折り過ぎていて伝記モノの体は成してません。
端折ってる割には愛人とのアレコレとか割と要らない部分も多いし、ラストで一気に雄度が下がってしまう展開入ったのも興醒め。純粋な歴史ドラマとしては駄目な年の大河ドラマレベルです。

あとエンドロール後の榎木さんの「道しるべを見失った若者たちへ」みたいな一文も説教臭すぎるのと、西郷どんと半次郎は一番道しるべにしたらアカン人種なのでそこもなんだかなーって……
ドラマ部分は難が多いものの、奇声上げてぶった斬る妖怪首おいてけ薩摩民族アクションの迫力はホンモノなのでそこは一見の価値有りです。
オススメ!