140字プロレス鶴見辰吾ジラ

月世界旅行の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

月世界旅行(1902年製作の映画)
4.0
今夜は月がキレイだから〜
手を伸ば〜すよ〜♪

斉藤和義 「月光」より

今からおよそ100年前
人類が月面に降り立つおよそ50年前
ライト兄弟がやっとこさ空を飛んだほんの少しだけ前
本当に手を伸ばした奴らがいた。

遥か昔、人類が満点の星空に無数に広がる星々をつなぎ、星座の物語を紡いだように、手を伸ばそうと思いを馳せたからこそ生まれる独創性。

最初のガヤガヤした会議?のシーンは正直不安だったが、いざ月に向かうときの躍動感溢れる音楽使い、科学考証など知らぬが想像力はあると見せつける月へと人類を打ち上げる長距離砲台の造形。

これはやりたい放題…

いや、まだまだ。

眼前に迫る月の表情の悍ましさと滑稽さ、そして月に降り立った人類の自由奔放っぷり。

酸素?

えっ?そんなの我々の目指す先には必ずあるに決まってるじゃん?
悪いの?

んあ!?
人類に楯突くの?
植民地にすんぞ!オラァ!!

流石、世界を植民地化し続けたヨーロピアンの発想と人類の無敵性に腹が立つほど笑ってしまった。
意外にもスリリングなクライマックスで驚愕した…

スマホ片手に何でも見られ、手に入る世界からすれば、月への行き方も斬新に感じられ、月から帰る方法はもっと斬新に映る。

今年の話題作「ルーム」の少年が初めて目の前いっぱいの青空を見たかのように驚きとスリルと刺激に満ちた作品。

これでいいのだ!