翔海

エターナル・サンシャインの翔海のレビュー・感想・評価

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
3.6
記憶から消し去りたいくらい嫌いなのに
忘れられないのは何故だろうか。

ある日、無口でつまらない人生を過ごしていたジョエルは仕事をサボり海辺まで行って出会った女性クレメンタインと恋に落ちる。クレメンタインはジョエルとは対極的な性格で変わり者でおしゃべり。そんな二人だったけど、バレンタインの直前に別れてしまう。やり直したいジョエルがクレメンタインに話しかけるが、他人と話すような態度を取られてしまう。どん底にいたジョエルは友人から「クレメンタインはあなたの記憶をすべて消し去りました」という手紙を見せられる。ジョエルは送り主のラクーナ社に向かい真相を確かめる。

記憶の中で二人は愛を確かめ合う。
辛い失恋から恋人の記憶を無くそうとする物語だが、一時の感情で今までの記憶を無くすのはあまりに勿体ない。思い出すだけで辛いけれど、その記憶たちも大切な思い出の一つだから自分の糧になっているはず。誰しも、失恋から恋人のことを忘れたいと言った悩みをユーモラスに描いた作品。辛い経験だって必要な経験、恋人と過ごした日々はかけがえのないもの。その時間は二度と戻って来ない。失ってゆく記憶の中で二人はこれまでの後悔や不満を打ち明ける。

ジム・キャリーはコメディのイメージしか無かった…笑 今作では無口で冴えない男を演じていて、いつものジム・キャリーとは対極的な性格で新鮮であった。けれど、見てゆく中で役に引き込まれてゆく。笑顔が少ない寡黙な彼を元気づける彼女。パッケージから物語はファンタジー系だと思っていたがSF系であった。時系列が複雑で混乱したけれど、皆それぞれに抱えてる悩みがあって、記憶を消したい物語なんだと解釈できた。昨夜はあまり集中して見れてなかったからこの作品の良さに気づけなかったのかもしれない。また数年後に改めて鑑賞してこの作品を知りたいと思った。
翔海

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