マサキシンペイ

ラヂオの時間のマサキシンペイのレビュー・感想・評価

ラヂオの時間(1997年製作の映画)
3.7
わがままで自分勝手なトラブルメーカーと、異様な問題解決能力を持つエキスパート、という二極のキャラクターの間で、タイムリミットが迫る慌ただしい空気の中、エキスパートの指示に従って、大勢の人間が七転八倒しながらもチームワークで乗り越えていく、という三谷コメディの黄金パターンが綺麗に決まっている。

トラブルメーカーの無茶な要望にアタフタするリアクション、エキスパートの奇想天外なアイデアの意外性、振り回される人たちのコミカルな結束感。三種の質の異なる笑いが順番に訪れるサイクルがハイレベルで機能している。

今作は特に、キャラクターの役割の住み分けが明確で、展開が早くて登場人物も多いのにも関わらずストーリーの筋が分かりやすく、まただからこそ終盤でのキャラクター設定の裏切りが鮮やかに決まっている。笑いの安定感に+αの爆発力も兼ね備えている良作と言える。
マサキシンペイ

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