鍋レモン

トガニ 幼き瞳の告発の鍋レモンのレビュー・感想・評価

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
3.5
⚪概要とあらすじ
『マイ・ファーザー』のファン・ドンヒョクが監督と脚本を務め、実話を基にしたコン・ジヨンの小説「トガニ-幼き瞳の告発-」を映画化した衝撃作。

カン・イノ(コン・ユ)は大学時代の恩師の紹介で、ソウルから郊外のムジンという町の聴覚障害者学校に美術教師として赴任する。着任早々彼は校長の弟の行政室長(チャン・ガン)に、教職を得た見返りとして大金を要求される。最初から学内の重苦しい雰囲気を奇妙に感じていたイノは、ある晩、帰宅しようとして子どもの悲鳴を聞きつける...。

⚪キャッチコピーとセリフ
“この子達の手を離したら、僕は父親には戻れない。”

《心でしか感じられないものなのです》

⚪感想
こんなクソみたいなこと起きても許されるの。なんて最低最悪の世界。惨い。酷い。

決して誰でもよかったって訳じゃなくて、障碍を抱えていて、後ろだてがいなかったり、貧しい人を狙ってるじゃん。

暴行や虐待をしていてもなんにも感じない様な校長や教師たちにゾッとする。

双子の校長のクズさ。演じる子供たちは嫌なことはなかったのかと思えるぐらいリアルに描かれていて、観ている誰もが暴力や虐待を加えた人物に対して憎悪や嫌悪感を抱けるようになってる。
事実であるからこそそれがさらに効いてくる。

主演のコン・ユがこの作品の映画化を熱望したそう。
コン・ユは『あなたの初恋探します』や『新感線』で観て、かっこよくて演技がめちゃくちゃ上手いなって思ってたけど今回も凄く良かった。手話は元からできるのかな?
子供たちを不器用ながらも支える姿に感動した。

校長や教師の周りの人間は誰もが、地位やお金に目がくらむような人間で最低だった。でも人間の多くがそうなんだろうなとも思ってしまう。

子供たちの悲痛の叫び。実話だって信じたくないぐらい苦しい。

これから子供たちが救われることを願うことしか出来ないのかな。

結局は韓国だけではなくてどこの国でも法律は万能ではなくて結局はお金だったり地位の高い人物のなすがままになってしまう。
勝ったものが正義なんて辛すぎる。

⚪他の方のレビューを読んで
悪の描き方って2通りある気がして、1つは辛い過去がある悪ともう1つは元からそういう価値観を持っていてとことん悪ってやつ。
前者は観ている人に共感や同情を抱かせて複雑な感情にさせるんだけど、後者は観ている人がこいつが100%悪いと理解できて何か罰を受けろって思えるようになってる気がする。

ある方のレビューで
「自分が『ONE PIECE』を読まなくなった理由の一つに「悪役が意味もなく悪すぎて、彼らの行動原理が分からない」って要因があります。☠️
あんなにやたらと悪いことをする人間、実際にいますかね❓」
と言ったものがあって
正直ONEPIECEはそこの所がハッキリしているから私は1番好きな漫画なんだよね。
悪役はちゃんと意味や目的があって行動しているのが描かれているし、過去も描かれる。他の漫画に比べてサブキャラや敵をかなりフィーチャーして物語をつくってくれているし。
やたらと悪いことする人間は現実にもいるし他の漫画にも共通することなのでそこを指摘するのは野暮では!?冒険漫画でフィクションだし...。
たまにシーザーのように元からの価値観としてクズというか悪がいて、それを描いて読者の怒りを最大限に高めて、ルフィが完膚なきまでに叩きのめすというのがONEPIECEの面白いところ。
ONEPIECEは子供には難しいけど伏線とかあって最高に面白いから読んで欲しいな。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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