『日本侠客伝』
製作年 1964年。上映時間 98分。
後に『仁義なき戦い』を手がける笠原和夫と『博徒』の村尾昭によるオリジナル脚本をもとに『次郎長三国志』のマキノ雅弘が監督した任侠もの。高倉健と中村錦之助との共演が人気を呼んだ本作はシリーズ化され全十一本が製作された。

深川で運送業を営む木場政組は、ライバルである沖山運送の妨害工作に悩まされていた。
争いを好まぬ木場政が病死したことから、沖山運送はますます勢力を伸ばしていく。
除隊し組に帰ってきた辰巳の長吉は、組が小さくなっていくことに心を痛める。
木場政の子分である赤電車の鉄が、沖山兄弟の手により殺害される事件が発生するが、沖山はすでに警察署長や代議士を抱えていた。
木場政に恩義のある客分の清治は、日に日にエスカレートする沖山運送の営業妨害を許すことができず、一人で沖山組に殴り込みをかけるが、逆に返り討ちに遭ってしまう。

全11部作の『日本侠客伝』シリーズの第1作。
シリーズはすべて独立した作品であり、つながりはない（なかったと思うし、第9作と第10作は確か入手不可能じゃないかな）。
マキノ雅弘監督というこやし、彼のファンなら期待には十二分にこたえてくれる作品やと思います。
しかし、この第1作目は、このジャンルに精通している人たちには何の驚きもないものの、任侠のチェックリストを見事にクリアしており、お気に入りのキャストたちが思い思いに演じてる。
監督：マキノ雅弘、脚本：笠原和夫、村尾昭、野上竜雄によるメロドラマと堅実な脚本が、木場政一家の素晴らしい仲間意識を築き上げ、98分間を非常に魅力的で楽しい時間にしてくれたっすわ。
マキノ監督は、今作品のスタイルについて特筆すべき点はなく、いわば流れ作業のようなもので、むしろ1964年当時でも、スライドの切り替えやフェードアウトといった伝統的な手法に古めかしさを感じる。
しかし、それがうまくいっていないわけではなく。。。んん～いや、うまくいっているんやろけど、目立つわけでもなく、その意味では平凡な印象に終わってしまっている。
しかし、彼はまた、映画の大半を費やして、巧みなキャラ、つまり、実際に愛着がわき、感情移入できるキャラを作り上げることに費やし、その巧みなキャストたちに仕事をさせることに成功してる。
悪役の沖山はすぐにクソ野郎として確立され、それを確認するために終始散発的に登場するだけ。一方、上映時間の大半は木場政一家に費やされ、彼らの絆を示し、いくつかの印象的なシーンを提供する。
マキノ監督は、彼らの関係を引き立てるために、ほとんどコメディのような軽いシーンでうまくバランスをとっている。
例えば、一家のジャケットを質屋で売った長門裕之を戯れに叩いたり、また酔って生意気になった松方弘樹を叱ったり。
フィナーレもなかなかいい。
典型的な組事務所襲撃をやめて、四方八方から攻撃を仕掛け、残された木場政一家の男たちが任務を遂行する。
高倉健が辰巳の長吉役で主演し、いつもより少しリラックスして素朴な演技をしている。
けど、正直なとこ、高倉、松方弘樹、大木実、田村高廣、ほんで中村錦之助の4人がほぼ均等に出演しており、アンサンブルになっている。
中村錦之助は他の選手よりもチョイした役回りやけど、そのチョイ役が見事なもんで、特に単独での事務所襲撃は際立ってた。
アクションが激しいわけやないけど、インパクト大なんは確か。
大木はストイックなモードで、田村は執行猶予中のヤクザとして振る舞おうとする。
彼は中盤で、陽動作戦として激しい殴打を受ける素晴らしいシーンがある。
松方弘樹は、60年代の若いエネルギーを発散し、火事場泥棒と忠実な信者の間を軽々と切り替え、持てる力のすべてを発揮している。　
また、彼が一時的に逮捕されたとき、酔っぱらってポリスに文句を云い、歌を歌い、侮辱する陽気なシーンがあるけど、これはこれで面白かった。彼は間違いなくこの映画の最高の側面の一つかな。　
彼の初期の作品は、現在ではほとんど評価されていないような気がして、本当に残念。　
長門裕之は、片足はストイックに、もう片足はコメディーリリーフちゅう面白い演技で、南田洋子との素晴らしいラブストーリーの脇を固め、必然的に失恋に終わるけど(実生活ではおしどり夫婦やとあとで知りなんとなく頷けた)、その時点までは本当に甘いものでした。
残念ながら南田には十分な出番がなく、また、高倉の無邪気な姿に目を奪われるシーンがいくつかあるだけの、無二の存在である富司純子にも出番はない。
全体として、これはシリーズの最初の作品として強力なものであり、残りの作品を見るのをとても楽しみにしている。
しかし、この作品単体で見れば、これは立派な小さな任侠映画であり、しっかりとした脚本と豪華なキャスト陣が商品を提供し、中心的な家族を見事に描き出している。
ヤクザマニアや東映マゾヒストには強くお勧めできる作品なんちゃうかな。

高倉健による任侠の世界を描いた「日本侠客伝」シリーズの第１弾。

高倉健が主演、中村錦之助（萬屋錦之介）、大木実、松方弘樹、長門裕之、津川雅彦、藤純子、南田洋子、三田佳子、藤間紫らが共演。
マキノ雅弘が監督を務める。　

深川木場が舞台。材木運送業を営む老舗の木場政組はこれまで任侠を重んじてきたが、新規参入してきた沖山運送株式会社に押され気味であった。そんな折、陸軍に出征していた辰巳の長吉（高倉健）が戻って来て小頭となるが、病床の木場政親分は病死してしまう。長吉は恋中のおふみ（藤純子）と再会するが、芸者の粂次（南田洋子）も長吉に惚れていた。一方で粂次に気のある木場政組の鉄（長門裕之）は、粂次が沖山から借りた金を肩代わりするために組の半纏を質に出して金を工面するが、何者かに殺されてしまう.....

高倉健の初主演の任侠映画。
堅気の木場政組が、顧客獲得のためであれば手段を問わない沖山運送株式会社によって仲間が殺されたり嫌がらせを受ける。
二つの組織の抗争により女性達の運命が翻弄させられて切ない。
最後は我慢の限界を超えた長吉をはじめとする木場政組の面々が、沖山運送株式会社のメンバーを襲撃する。
シリーズ二作目以降はクライマックスで高倉健が単身での討ち入りを魅せてくれるが、本作では大勢による乱戦状態で見せ場となるシーンが分かりにくいのが物足りない。
とは言え漢気溢れる木場政組の任侠が熱いです。
「男の喧嘩は一生に一度　命を捨てる喧嘩なら　許してやる」

2023.12　BS12で鑑賞

• #老舗の木場政組
• #新参の沖山運送株式会社
• #陸軍からの依頼
• #木場政組の火事

【過去鑑賞】

任侠映画が大好きで。特に高倉健の。監督がマキノ雅弘とか山下耕作とか加藤泰のやつ。だもんで昭和残俠伝やこの日本侠客伝シリーズはぜーんぶ観た。シネマスコープサイズの画角にスタイリッシュで様式美的映像。健さんいびられいびられいびられ我慢我慢我慢してからの堪忍袋の緒が切れ大量虐殺というマンネリズム全開のストーリー。たまらん。健さんの色気にキンタマキュンだわ。藤純子とか美人さんの艶やかさにチンポコぴくんだわ。

U-NEXT入るんでラインナップ確認しながらクリップしとったら観とらんのよーけあって早よ退職したなってきたわ。おおん。