「40歳の童貞男」チームpresents 『男たちの恋愛強化月間⁉︎』というテーマの元、日本では「寝取られ男のラブ♂バカンス」と二本立てで公開された本作。
あの悪名高きグループ制作だし、どうせ本作もロクな作品ではないだろうと思っていたら、まさかの涙を誘うハートフルコメディだった‼︎
きっと驚いたのは私だけではないはずだ。
本作の主人公ベンは、高校時代の交通事故の賠償金で悪友たちと共に酒やクスリを嗜みながら「検索した女優のヌードシーンのある作品を紹介する」というアホサイトを作成している絵に描いたようなダメ人間！
ある日、バーで出会った新人キャスターのアリソンと酔った勢いで一夜を共にする奇跡を起こすが、8週間後にアリソンの妊娠が発覚するのだった‼︎
セス•ローゲン、ポール•ラッド、ジョナ•ヒルをはじめとしたキャストとゲスくてドストレートな下ネタは相変わらずだが、彼らの他作品と比較してみると人間ドラマが非常によく出来ている。
放送映画批評家協会賞コメディ映画賞、全米脚本家組合賞オリジナル脚本賞にノミネートされたと聞いても十分に納得だ。
恐ろしいほどに不規則で、恐ろしいほどに残酷な人生の中で、自らの欠点を覆い隠すように他人に逃避する人間たち。
理解し合えぬ男女の仲、老いへの恐怖、本作が描いている人間の側面はコメディ作品とは思えぬハードなものばかりだ。
逃避して、泣き喚いて、罵り合って、挫けそうになる事があまりにも多すぎる。しかし世の中には、覚悟を決めて立ち向かわねばならない時がある！
自堕落なクソ野郎、不安に苦しむ若手キャスター、倦怠期の夫婦、それぞれが己の人生に覚悟を決めて立ち向かう様が非常に魅力的で、思わぬ感動がこみ上げてくる！
不安だらけの世の中だけど、明日もいっちょ戦ってみるか！
まさか本作でそう思わされるとは•••。
これだから映画鑑賞はやめられない。
